あやしいアスロン第4弾 [ 2004年 3月 ]

またしても、あやしいAthlon XPが見つかってしまいました。今回はフランスで販売されたものですが、
世界は狭い、もうすでに日本でも売られているかもしれません。

注意! あやしいアスロン! [ 2004/03/11 ] 第4弾

下の写真を見て『ん!これは...』と感じる方は、以下を読まなくても大丈夫です。いつもの『あれ』ですから特に目新しいことは書いてありません。 しかし、『この写真に何か問題でも...』と思う方は読んでください。今回は、あやしいアスロンの総集編的な内容として、より詳しく説明してあります。

このアスロンはXP2600+として販売されていたものですが、この写真のマーキングは正規の製品とは微妙に違っており、XP2600+ではないはずです。おそらくマーキングが書き換えられた物(リマーク)でしょう。 このクラスのCPUを買うとすれば、バートンコアを買われる方が多いとは思いますが、バルクの製品で、特にサラブレッドコアの高クロック品を買う時には、写真の青線で示す箇所を良く見てから買うことをお勧めします。


AXDA2600DKV3D
AIUCB0346DKV3D 9703563411213
[ 2083MHz , FSB166 , 1.65V ]
サラブレッドコア

これと全く同じ記号や数字の物に問題がある、ということではありません。数字や記号は変化しますので総合的な判断が必要です、念のため。



正規の製品との比較

以下の写真で、ブリッジを横切っている茶色の溝の位置に注目してください。これらはAMDが出荷時にレーザー加工によってつけた溝(レーザーピット)と考えられ、製品ごとにその場所や数が異なっています。グレーの図は正常なXP2600のブリッジを示しています。この図とそれぞれのブリッジを比べると、溝の数や位置に違いがあるのがわかります。 ブリッジ自体の仕様は公開されていませんから、これだけではリマーク品と判定することはできませんが、十分に怪しいことは確かです。

L3, L12

L3は起動倍率を示し、この写真では11.5Xのように見えます。しかし正常な2600DKV3Dは12.5xでなければなりません。 ところが、この状態でも12.5xで起動するとのことでした。おそらくL3[1]が出荷後にカットされていると予想できます。事実、写真でもL3[1]に小さな傷があるのがわかります。

L12はCPUのFSBクロックを示しています。この写真ではFSB=133になっていますが正常な2600DKV3D166でなければなりません。



マーキング

決定的なのがAthlonの書体が違っているということで、以下の2つのマーキングを比較すると Athlonの th の部分が違うことがわかります。 一般に、企業は商標を非常に重要と考えています。製品に使われるロゴであるAMDやAthlonの書体が違っているということは、まず考えられません。
公式にリマーク品と確認されたわけではありませんが、このことだけで、ほぼ確定でしょう。
さらに今回はAIUCBのIの文字の上下にひげがないことでも判別できます(上が正常品、下がリマーク品)。

L11

L11はコア電圧ですが、この写真ではブリッジのカット位置から考えると1.4V設定のように見えます。しかし正常な2600DKV3Dは1.65Vでなければなりません。 これも、ブリッジに何か細工がされているのではないかと思いますが、詳しくはわかりません。しかしここにもあやしい痕跡があるのがわかります。

Sandraでは

御覧の通り、見事に2600+の定格通りの認識となっています。


あやしい アスロンを発見したら

サラブレッド以前のCPUでは、ダイにレーザーマーキングでOPNが刻印されていたので比較的安心でしたが、ラベル上のマーキングに変わってから、これらのあやしい製品が現れました。さらには『この対策で倍率がロックされたのかもしれない』と思うと非常に残念です。
バルクの流通経路は輸入も含め、さまざまですから、販売店自体がこれに気付かず売っている場合がほとんどのはずです。これらが正規の製品かリマークなのかは、ダイに刻印された2次元コードで判別できるのではないかと思いますが、この確認ができるのはAMDだけです。市場でこれらのCPUを見かけたり、購入した場合には、製品名と販売店を当方に御連絡いただくか、直接AMDの販売代理店に連絡することをお勧めします。

オリジナルは何?

この写真からオリジナルのCPUは、サラブレッドコアのAthlon XPで、起動倍率は11.5x、コア電圧は1.4V、FSBは133のように見えます。しかし該当する製品が見当たりません。 もしコア電圧が1.5Vなら、AXDA1800DLT3Cと同じなのですが、違うようです....オリジナルは何なのでしょう?。

また、お気付きの方も多いと思いますが、製造週(date code)が46週なら、おそらく倍率がロックされているはずなに、倍率変更ができたそうです。しかも2400MHz(200x11 , 1.75V)で動いたというのですから耐性もそう悪くありません。 正規の製品では倍率がロックされているため、リマーク品らしき物とはいえ『なかなかのもの』と感じてしまうのが皮肉ですね。  探してみます?....


Thanks

We appreciate the report of Mr.jerome of France.