AMDによれば、『AMD製品のリマーク品または非正規品をそれと知らずに取得し、かつ、正当な交換品の提供または返金をベンダーが拒否している場合は、各都道府県の消費者相談センターや警察などに相談するか、AMDの調査部門およびコールセンターでもご連絡を受け付けている』とのことです。
リテールパッケージのセキュリティ対策  AMDへの連絡先


CPU本体のラベルが改変されているものを「リマーク品」、AMDから正規に出荷されていない品物が「非正規品」という解釈で良いと思います。いわゆる『バルク』のほとんどは正規に出荷された製品が、通常とは違う流通ルートを経由しているだけで、ここで書かれている非正規品とは違います。

SocketAに関しては、ブリッジが確認できる程度の写真があればリマークかどうかの推定が可能です。写真を添えて当方に御相談ください。


あやしいアスロン第8弾、Sempron 2800+[ 2006年 3月 ]

まさか、まだ出てくるとは... ヨーロッパ市場を中心に、あやしいセンプロンの報告が次々と届きました。
[ 追加情報 ] フィンランド, モスクワ, チェコ, フランス, ebay アメリカ, ドイツ
世界中にフェイクSempronが数多く出回っていたようです、さらに日本でも流通していたことを確認、詳しくは2006/9 第9弾

SocketAセンプロンは販売終了から1年以上経過しており、流通在庫もほとんどないと聞いています。 したがって、それが販売されていたとしても、偽物である可能性もあります、特にセンプロン2800+(バルク)は購入を控えたほうが良いでしょう。

あやしいSempron 2800、ドイツ[ 2006/03/02 ]

ドイツから、あやしいSempronの写真が送られてきました。ヨーロッパ市場に流通していたこのSempron 2800は、電圧の認識とブリッジに異常があるとのことでした。 日本では、すっかり64bitCPUが主流になっていますから、どうしていまごろ『あやしいSempronなの?』と思ってしまいますが、国によっては必ずしもそうではないのかもしれません。写真を見てみると確かにあやしい点がいくつかあります。


OPNラベルにはAMD Sempron SDA2800DUT3Dのマーキングがあり、これはサラブレッドコアのデスクトップPC向け製品を表しています、定格は下の表の通り。

ところがブリッジを確認してみると、このCPUはデスクトップCPUのそれとは違い、Athlon XP-MやGeode NXなどのMobile CPUに共通の特徴が見られました。さらにOPNラベルのAMD Sempronという文字が、これまた怪しい。
→CPU画像拡大表示


AMD Sempron Processor SocketA - [ Process:130nm, L2 Cache:256k]
OPNPackageV_CORET_DieFSBnotes
AMD Sempron Processor CPUID=681[Thoroughbred]
SDA 2800(2.0GHz) DUT3DOPGA1.6090333L2=256k

OPNラベル

OPNラベルのAMDSempronの文字に注目してください。 正規品のSempronでは、AMDとSempronの文字に同じデザインのフォントが使われていて、Sempronの文字の太さはAMDと同様に太めです。 それに対し、上の写真の『あやしいSempron』ではSempronの文字が細く一見して貧弱に見えます。この比較は、画面から少し離れて眺めたほうがわかりやすいでしょう。

今回の怪しいSempron 2800+

さらに別のラベルの怪しいSempron 2800+


正規品のSempron(比較用)

ASSEMBLED IN MALAYSIAのあるなしとか、2次元バーコードのセル数も違っていますが、これらの違いは製造週(date code)が大きく違うため、表記内容が異なっているだけかもしれないため、あまり気にしないでください。

ブリッジの確認

L6ブリッジの拡大写真です。Athlon XP、Sempronなどのデスクトップ向けのCPUでは、このL6ブリッジはクローズ(未加工)の状態で、 レーザー加工の溝は全くありません。

この写真のように、L6ブリッジが加工されているのはモバイルCPUだけで、この加工痕からは定格倍率が本来10.5Xとして設定されていたことが推定できます。

L6に溝があればSempronではありません


L8ブリッジもデスクトップ向けのCPUでは使われていません、例外なくすべてクローズのはずです。しかし、この写真では加工痕があります。 またL11ブリッジの中央に、他とは違う加工の痕跡が見られるのも不自然な点です。

このように、L8、L11ともに加工されているのもモバイルCPUの特徴で、このL8の状態から推定すると、本来はモバイル系のCPUで、定格1.25Vではないかと推定できます。

SempronはL8にも溝はありません


正規の製品ではない?

購入された方によれば、このSempron 2800+は1.725Vとしてマザーボードに認識されたそうです。正規品のSempron 2800+の定格電圧は1.60Vですから、この点からもリマーク品の可能性が非常に高いと考えられます。おそらくL11[2]をカットし、特定のVIDpimをGNDピンに接続するなどしてVIDを1.725Vに変えているのかもしれません。 さらにL12ブリッジにも加工の痕跡が見られますから、結構手の込んだ細工がされているように思えます。

サラブレッドで定格倍率が10.5x、1.25Vの製品といえば、Geode NX 1750でしょうね。このようなものが国内で流通しては困りますので、もしバルクで同様の物を見つけたら、『貴社のブランドイメージを傷つけるような品を見つけました』としてAMDに情報提供をされることをお勧めします。当方に御連絡いただいてもかまいません、できる限り協力させていただきます。

現在、このCPUが正規品かどうかをAMDに確認中とのことです。(2006/2/01)
...意外にも素早く結果が出ました、
このCPUは、AMDによって『リマーク品』と確認されました。(2006/2/02)



[ 追加情報 3/24]

リマークSempron 2800、フィンランド[ 2006/03/24 ]

ヨーロッパ市場に流通している怪しいSempronの続報です。記事を御覧になったフィンランドの方から同様のSempronがあるという連絡をいただきました。この写真ではSempronの文字の下にうっすらとGeodeと書かれていることがわかります。

ブリッジから判断しても、やはりオリジナルはGeode NX 1750のようです。

写真からはわかりにくいのですが、ブリッジに加工の痕跡があります。 具体的にはL12ブリッジでFSB166に、L5ブリッジでデスクトップCPU化、L11でコア電圧アップという加工がされているようです。


OPNラベル部分を拡大した写真

さらにドイツのheise online 15.03.2006 18:24でも、同様のSempronの写真が掲載されていますから、まとまった量のリマーク品が存在するのかもしれません。



[ 追加情報 3/25]

リマークSempron 2800、モスクワ [ 2006/03/25 ]

モスクワでもこのようなsempron2800が見つかり写真が送られてきました。

これも先の2つと同様にGeode NX1750をベースとして作られたフェイクと考えられますが、OPNステッカーのフォントがドイツの物とは違っています。

連絡をいただいた方によれば、このCPUはAbit NF7-S rev. 2.0でSempron 2800+(166MHz x 12)として認識されるものの、V_COREは1.775 Vで起動し、しばらくしてシャットダウンしてしまったとのことです。

CPU画像拡大表示

[ 追加情報 4/13]

リマークSempron 2800、チェコ [ 2006/04/13 ]

そしてチェコでも、このようなsempron2800を買ってしまったという連絡が届きました、L11の加工箇所が異なるものの、ドイツで見つかった物に似ています。

送っていただいたFerrounさんからの関連情報

  • AMD forumの関連スレッド(英文) AMD forum AMD forum
  • その他の写真 Ferroun


[ 追加情報 4/17]

リマークSempron 2800、フランス[ 2006/04/17 ]

さらにフランスからもこのような写真が届きました、このCPUはデフォルトで1.775Vで認識されます。

モスクワで発見された物と同じ製造者による物でしょう。 このCPUも、もちろんSempronではなくリマーク品です。ヨーロッパではインチキSempronの嵐ですが、各国で何人もの方がAMDに調査をお願いしていますから、当然 AMDも動いており、まもなく沈静化すると思います。

しかしながらこの手の出来事は、正式に公表されることはめったにないので、日本で何も報道されていないからと安心はできないのです、御注意ください。

→CPU画像拡大表示


[ 追加情報 4/21]

リマークSempron 2800、アメリカ(eBay)[ 2006/04/21 ]

スペインのDavid氏から、アメリカのeBayから購入したSempron 2800がフェイクであったという連絡をいただきました。 これはドイツやフィンランドで見つかったCPUと同様の物のようで、L6やL12にあやしい加工痕がみられます。

このCPUは1.75Vで動作し、温度は46-52度、8時間のprime95 Torture testもパスしたとのことです。

下の写真のようにL6ブリッジに溝があるのはMobile CPUの特徴であり、Desktop向けCPUに溝はありません。



[ 追加情報 4/29]

リマークSempron 2800、ドイツ[ 2006/04/26 ]

ドイツからさらにレポートが届きました。

これは1月にドイツのインターネットショップで買った物だそうです。 コア電圧が定格より高いことにはすぐ気付いたそうですが、今回の件でフェイクであることがわかり、購入店と返品交換を交渉中とのことです。

このCPUはコア電圧は1.775として認識されました。
→CPU画像拡大表示



■判別方法は簡単!
今回の怪しいSempron2800に共通しているのは、L6ブリッジに溝があることです、もし『L6に1つでも溝があればSempronではない』これだけで判定できますから、Sempron2800 (SocketA)をみかけたらL6ブリッジを見てください。また、L8ブリッジでも同様に『L8に1つでも溝があればSempronではない』と判定できます。


Thank you for your report

J.Mittelstaedt of Germany.
S.Ahvenlammi of Finland.
VeT of Moscow.
Ferroun of Czech.
Marc of France.
David of Spain.
M.Heinisch of Germany.

このページの他に、疑わしいCPUを扱ったページが6ページあります、念のためSocketAのCPUを購入される前に御覧ください。また、リテールパッケージ(BOX)やAthlon64シリーズではこのような問題は報告されていません。


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