Athlon Palomino 裏技?CPUピンのショート

CPUのブリッジ加工による倍率変更に終止符を打つべく、熱線補修材1本だけでできる倍率の変更を考えてみました。
『設定ごとにマザーをはずさなくてならない』、という致命的な欠点はあるのだが....。

手軽に思えますが、ちょっとした接続箇所の勘違いが電源ショート事故につながります。
マザー取り外し時のCPU破損や、ケーブルの接続ミスをしないように注意するなどの、慎重な作業が要求されます。
また、この改造でもメーカーの保証対象外の行為となりますので御注意ください。

このページはMobile Athlon4-900をベースとして書いています。
Athlon MP, Athlon XP, Duron [Morgan] にも適用できます。
Duron [Spitfire], Athlon [Thunderbird] には適用できません。

CPUピンのショート

L1ブリッジがオープンになっているCPUの場合初めにL1クローズしておきます。次にマザーボード裏側のCPUソケットのパターンを、直接、熱線補修材などでクローズするだけで倍率が変更できます。 Athlon4ではL1ブリッジはクローズのまま出荷されていますから、L1はそのままでOK。

下の図はマザー裏からみた状態でブルーで囲った部分が倍率に関係するBP_FIDピンです。赤印がV_CORE,青印がGNDピンを示しています。各BP_FIDピンをこのどちらかに直接つなぐことで、そのピン電圧を変えデフォルト倍率を変更するわけです、つまり例のゲタでやっていることを、直にCPUピンに接続されたパターンに対して行なっているだけで、原理は全く同じです。 あらかじめ、ゲタを使って適切な倍率を探っておくと作業が楽になるでしょう。


倍率設定図 Athlon [Palomino], Duron [Morgan]

設定したい倍率の図の、黒い線で示してある部分をクローズしてください。
この場合実際には接続する必要のない部分も含めてクローズすることになりますが、まあ、それでも問題はありません。


定格倍率13X以上のCPU対策

定格倍率が13X以上のCPUを、5x〜12.5Xに倍率を変えたい場合、すべての倍率で下記の図のような接続を付け加えます。(AJ27pinをGNDに接続)。この方法は倍率変更がサポートされているマザーでも12.5X以下の倍率に設定できない場合にも有効です。

最適化するには

使用しているCPUの定格倍率と希望の倍率を倍率設定図でくらべた場合、同じ箇所がクローズされている部分はクローズしなくてもかまいません。このとき、勘違いをしてBP_FIDピンが赤印と青印の両方につながることのないよう注意してください。(これをやると当然電源ラインがショート状態になります)

Mobile Athlon 4に最適化した場合(起動倍率デフォルト5.0x)
5x〜8.5x[New Window]9x〜12.5x[New Window]
表示される図で、設定したい倍率の黒い太線で示してある部分をクローズしてください、薄いグレーで示してある部分は無視してください。 また、L4,L3ブリッジ加工で他の倍率に設定してある場合は適用できません。

注意点
  • クローズするには、熱線補修材やコンダクティブペンを使います、マジックなどで必要なピンのそばに印を付けるなどして、クローズするピンを絶対に間違えないで下さい、ピンによごれが付着しているとうまくいきません、アルコールなどで拭き取ってから作業したほうがいいかもしれません。
  • 熱線補修材はカー用品店にあり、メーカーはSOFT99で1300?円くらいだったと思います。 これは銀色の導電性のある接着材のようなものです。透明な接着材のような部分と銀色の粉体に分離している場合も多いので、直接塗らず硬い紙の上にでも少量絞り出してかきまぜ、つまようじの先などで少量塗るといいようです、完全に乾くと導通するようになります、失敗した場合、私の場合アルコールで拭き取りました。
  • 倍率変更をサポートしているマザーではこの方法を使わないで下さい、たぶんこわれます。
  • K7S5AでMobile Athlon4を使った場合は、L5ブリッジをAthlonMPと同じにすることで、この方法が使えるはずです。