Turion64 MT-40&ASROCKによる静音PC
ASROCK K8NF4G-SATA2 + Turion64 MT-40で組んだ『メカうさぎ64』さんのレポートです。
関連BBSTurion64 MT-40
Turion64 MT-40
ita様、こんばんは。 なかなか仕事が忙しく書けませんでしたが、何とか書けそうなのでレポートします。 前回レポートで書いたように、ワットチッカーを使いました。
Silver Stone SST-NT01 Ver2.0
今回のシステムも、ポイントはやはりCPUクーラーです。 通常Athlon64シリーズは2本のネジ穴でヒートシンクを固定します。 このためヒートスプレッダーがないTurion64などのCPUではCPUクーラーの荷重がコアに不均等に加わりやすく、コア欠けが心配ですが、 このマザー(K8NF4G-SATA2)にはLGA775用の4本のネジ穴が付いているため、この穴を使う事によって、コアにほぼ均等に加重を加えることができそうです。
今回使ったCPUクーラー『SST-NT01』はLGA775や
Athlon64など複数のプラットフォームに対応し、ネジ留めで固定する方式で、穴は10個あります。
今回はLGA775用の4本のネジで固定し、CPUとクーラーの間に銅版を入れることによって高さの調節をしました。
この事によって、CPU Socketの近くにあるコンデンサーへの干渉がなくなり、電源コネクタにも干渉しなくなりました。
silverstonetek.com
前回使用したAINEX (Akasa)のEVO120は背が高すぎてバランスが悪かったのですが、今回の SST-NT01 は背が低くバランスが良い上、フィンも銅製です。さらにヒートパイプクーラーでは一番冷える方法とか言われているパウダーヒートパイプ方式でヒートパイプが8mmと太めなのも気に入っています。
UACC-G1B/ 300SLT
都合の良い事に、横長のクーラーなので、このケース(UACC-G1B/ 300SLT)の8cmFAN×2個の長さと調度合います。
これだけ強力なクーラーですので、温度は殆どあがりません。ベンチマーク中も冷たいままでした。
このクーラーを付ける時は、マザーの電源コネクタ、コンデンサに干渉しますが、それを避けるため銅版が必要ですのでご注意下さい。
システム構成
- - parts -
- - 製品名 -
- CPU
- Turion64 MT-40
- マザー
- ASROCK K8NF4G-SATA2
- メモリ
- Apacer DDR400 512M X2
- HD
- SEAGATE ST3200822A 200GB(Grow Up Japan SMART DRIVE 2002を使用)
- DVD
- パイオニア DVR-110
- VGA
- 内臓VGA(128MBメインメモリより使用)
- FD
- MITSUMI FA404
- 電源
- -
- ケースFAN
- 8cm(1600回転×2)ケースに付属していたFAN
- CPUクーラー
- Silver Stone SST-NT01 Ver2.0
- LAN
- 玄人志向 GbE-PCI2(ギガビット)
- ケース
- UACC-G1B/ 300SLT 赤色 (赤は通常250Wですが、300Wと交換してあります)
ASROCK K8NF4G-SATA2
マザーボードですが、ASROCKのK8NF4G-SATA2です。
このマザーの特徴は、BIOS1.60においてTurion64 MT系(0.9V〜1.2V)に対応した事と
CPUのソケットの裏面にコンデンサが無く、LGA775用とAthlon64用の穴が付いている事です。
さらにシリアルATA2に対応している事等々・・・。
写真(MB-1) BIOSの写真(Hmoni-2)
ワットチェッカー
まず、消費電力についてのレポートです。
電源OFFの時はごらんのように0.3Wです。
電源ONで0.3W→62W→72W→49Wと変化(多少の誤差あり)
電源投入直後 | 起動中 | 起動後(何も操作しない時) |
待機中の電力が50W程度と書いていますが、この時、気が付かなかったのですが、カードリーダーが壊れていたようで、その分電力がすくなかったようです。カードリーダーを取り付けなおしまして計測したところ、53W程度となりますので、その辺りの修正が少し必要かもしれません。FD単体をつけた場合は、写真にあるように、最低では49W(待機時)となります。
ベンチマーク時の消費電力&スコア
スーパーパイ104万桁
スーパーパイ (104万桁)41秒 写真(BN-1)
メモリの設定はAUTOでは無く、(3-3-3-8)T1 200MHz 電圧はHigh の設定です。
*参考 前回静音PCで紹介したAthlon64 3700+ のPCでは、39秒でした。
この時の消費電力は72W程度です。
crystalmark2004
CrystalMark 2004 48564 写真(BN-2)
ハードディスクが100Gプラッタという事もありますし、内蔵VGAですのこの様な値です。
この時の電力 49W(MIN)〜85W(MAX) 写真(PW-1〜PW5)
crystalmark2004 ID
その時に出ていたCPUの情報です。写真(BN-3)
3dmark
3DMARK06 180 (SM2.0 /83 CPU/861) 写真(BN-4)
内臓VGAですのでこんなものですが、完走すると言う事がすごいです。CPUはそれなりの値です。
この時の消費電力は意外と低く49W(MIN)〜80W(MAX)でした。
*参考 Athlon64 3700+ PCの場合のスコア 2003 (SM2.0/1053 CPU/871)
この時の消費電力 120W(MINI)〜175W(MAX)でした。
VGAはさて置き、CPUのスコアを見ると、同じ2.2GHz(L2=1M)のCPUではそれなりの近い値となっています。
Turion64 MT-40 (TDP 25W) 861 : Athlon64 3700+ (TDP89W) 871
3DMARK05 580 消費電力のMAX(86W) 3DMARK03 1150 消費電力のMAX(82W) 通常のWeb閲覧やメール&DVD鑑賞等の場合は60Wまでいきません。(ドライブへのアクセスがある場合は49W〜60W以内です) Web閲覧(インターネット使用時等は49W〜55W程度となります。 この時のマザーボードの温度をモニターすると(再起動でBIOSを見ました)CPUが24度、マザーが21度となります。 この時の室温は18度と少し低めでした、それにしても低い温度です。写真(Hmoni-1)
AMD PowerNow! Dashboard
最新BIOSのVer1.60においてDashboardではクロックが36パーセント(800MHz/0.9V)〜100パーセント(2200MHz/1.2V)と言う表示となります。 Dashboard等の変化の写真です。負荷の変化がよくわかります。写真(Dash-1,Dash-2,Dash-3)
CPUを交換してみる
次に、新BIOS1.60でTurion64は0.9V〜1.2V(誤差あり)の対応になったわけですが、 他のCPUに変えた場合はどうなのかを見ました。
Mobile Athlon64 3000+
- CPU
- Mobile Athlon64 3000+ (AMN3000BIX5AR) 1.8GHz L2=1M
- 使用時のVcore
- 1.328V〜1.35V, BIOS(H/W Moniter)
- 電圧の変更項目
- 0.8V〜1.35V の変更が可能
- 倍率の変更項目
- X4〜X25の設定が可能ですが、実際に反映されるのは、X4(800MHz)〜X9(1800MHz)
- デフォルトの表示
- Vcore 1.35V と X9 1800MHz
- CPUのMicrocode
- F4A/3A
Athlon64 3000+(rev.E6)
- CPU
- Athlon64 3000+(rev.E6) ADA3000AIK4BX 2.0GHz L2=512M
- 使用時のVcore
- 1.438V〜1.44V, BIOS(H/W Moniter)
- 電圧の変更項目
- 0.8V〜1.45V の変更が可能
- 倍率の変更項目
- X4〜X25の設定が可能ですが、実際に反映されるのは、X4(800MHz)〜X10(2000MHz)
- デフォルトの表示
- Vcore 1.44V と X10 2000MHz
- CPUのMicrocode
- 20FC2/0
Turion64 MT-37
- CPU
- Turion64 MT-37 TMSMT37BQX5LD 2.0GHz L2=1M
- 使用時のVcore
- 1.232V〜1.25V, BIOS(H/W Moniter)
- 電圧の変更項目
- 0.8V〜1.25V の変更が可能
- 倍率の変更項目
- X4〜X25の設定が可能ですが、実際に反映されるのは、X4(800MHz)〜X10(2000MHz)
- デフォルトの表示
- Vcore 1.25V と X10 2000MHz
- CPUのMicrocode
- 20F42/0
MobileAthlon64の対応が少し変ですが、おおむね対応しているようですね。
PC全体の電力
今回のPC構成でBIOS起動画面にて下記のような事を試してみました。参考まで・・・。
CPUClock | BIOS設定値 | BIOS H/W Moniter値 | PC全体の電力 |
(MHz) | Vcore (V) | Vcore (V) | ピーク時(W) |
2200 | 1.175V | 1.197〜1.200V | 75W |
2200 | 1.200V | 1.224〜1.232V | 76W |
2200 | 1.225V | 1.248〜1.256V | 77W |
2200 | 1.250V | 1.272〜1.288V | 78W |
800 | 0.900V | 0.912〜0.928V | 56W |
800 | 0.875V | 0.888〜0.896V | 56W |
800 | 0.850V | 0.856〜0.872V | 56W |
800 | 0.825V | 0.832〜0.840V | 55W |
800 | 0.800V | 0.808〜0.816V | 55W |
マザーボードのBIOSがP1.60の場合、MT-40のVcore上限設定は 1.25Vまで、下限は0.80Vまでです。 下限の方は、0.90V以下はそれ程電力に変化はありません。 上限は0.025V程度の変化でも電力に違いが出てきます。
BIOSで+0.1V高い設定のマザーの場合は推測すると4W〜5W程度電力が高くなるかもしれません。 BIOSでセットして再起動後、再度BISOの画面で測定した簡単な 事での計測ですが、参考程度に。
FDにはカードリーダー付きの6in1のタイプなので、これで少し 電力が3〜4W程度喰っているようですので、FDだけにすればもう少し電力は低いと思います。
まとめ
このPCですが、8cmのFANを2個使用していますが、CPUだけの熱ならよいのですが、 HDの熱も排熱しなければならない為、あえて2個使っています。FANは現在「SilenX 80mm 9dBA Fan 」 「騒音値9dBA/回転数1200rpm Air Flow: 15CFM」という物を2個 使っていますので、殆ど音は聞こえない位静かです。
電源はケース付属の物で「TOPOWER製TOP-300TX」です。 本来は250Wの物なのですが、今回は交換してあります。 電力があまり喰わないため、デュアルFANで電源ですが 五月蝿くはなく、FANも低回転で回っているようです。
まあまあの省電力マシーンの出来上がりと思います。 通常の使用としては、平均して60W行かないということは、Turion64のすばらしい性能と評価できると思います。 十分ACアダプターでも動きそうな性能です。 課題としてはケースFANを9dB(SilenXの1100回転FAN)×2個に交換したところ、 音はさらに静かになったのですが、ハードディスクの音が気になりますので ハードディスクの静音化と小電力化の見直しです。さらに出来ればDVI端子が欲しいところですね。 長々となりましたが、皆さんのご参考になればと思います。 ワットチッカーはサンワサプライダイレクトで購入ができます。 CPUクーラーの納期は割りと掛かりますので、欲しい方は早めの注文が良いと思います。
今後の課題としては、HDの音をもう少し静かにしたいのと HDで出来るだけ電力の喰わないもので、それなりに高速なものを 検討中です。さらに電源をACアダプター化&出来るだけ電力の喰わないVGAの検討(DVIが欲しいので) という所です。
作成:2006/02/21 追記:2006/04/13 改訂:2006/12/05 crystalmark2004などの画像のリンクを追加