IEEE1394 インタフェース

IEEE1394(Firewire)インタフェースに搭載されているホストコントローラはTI、NEC、VIA製などさまざま。

IEEE-1394 PCIインターフェイス・カード

高速の動作が要求されるPCの周辺機器においても、USB2.0が一般的になったためIEEE1394(Firewire)の活躍の場が減りました。 しかし、やや価格が高いということを除けば、USB2.0に対して劣っているわけではありません。またIEEE1394は低いクロックのCPUでも安定した転送が期待できるという利点もあり、私は現在でもIEEE1394を中心に使っています。ただ今後はe-SATAが高速転送の有力候補なのかもしれません。
では、PCIカードに使われている1394コントローラには、どんな製品があるのかを簡単に...。

写真はTSB43AB23搭載のPCIカード「IOI-1394LPS」2xサイズで表示

IEEE1394コントローラ

  • IEEE1394ホスト・コントローラーはLink layer(リンク層)とPhysical layer(物理層)に分けられています。
    それぞれ専用チップがあるほか、両方の機能を統合しワンチップになっている製品があります。
  • Link layer(OHCI-Link層):PCIバスなどのホストインタフェースと1394物理層とのインタフェースを受け持ちます.
  • Physical layer(物理層):直接IEEE1394の信号をドライブする部分です。省略して1394PHYとか、1394トランシーバーとも呼ばれます。
  • OHCI:1394 Open Host Controller Interface

PCIホスト・コントローラに使われている主な製品

IEEE1394(Firewire)インタフェースで最も標準的なホストコントローラはTI製。 このためIEEE1394機器との接続では、とりあえずTI製のホストコントローラを使っておけば、問題が起こりにくいはずです。 今回、PCIカードやオンボードのIEEE1394(Firewire)インタフェースを調べてみたところ、おもに以下のベンダーの製品が実装されていることが多いようです。ただし市販されている製品に搭載されているチップの多くはNEC製やVIA製です。TIチップの中では赤文字のチップをお勧めします。

表中のPhysical-layerチップのみでは1394コントローラとして機能しません。自社または他社のLink layerチップと共に使われます。

IEEE1394(Firewire)PCIホスト・コントローラ
チップ・ベンダーIEEE1394 controllersポート数
link-layerPhysical-layer
TI TSB43AB23 ワンチップ
TSB43AB23 3-port
TSB43AB22A2-port
TSB43AB21A1-port
TI TSB12LV26 + TSB41AB3
TSB12LV26

TSB12LV23
TSB41LV04A4-port
TSB41AB33-port
TSB41AB22-port
TSB41AB11-port
agere FW323-06 ワンチップ
FW323-063-port
FW322-062-port
FW3226-1002-port
- FW802(/B/BF/C)2-port
FW801(/A/BF)1-port
NEC D72873GC ワンチップ
μPD72874GC3-port
μPD72873GC2-port
-μPD72852A
D72852GA
2-port
VIA VT6306 ワンチップ
VT63063-port
VT63072-port
-VT63122-port

agereは"アギア"と読み、アギア・システムズの製品です。
TIはTexas Instrumentsの略称、テキサス・インスツルメンツの製品
現行のマザーボードで1394を標準でサポートしている製品では TITSB43AB22AがASUSのマザーに、agereFW323-06またはFW3226-100がAopen、のマザーによく搭載されています。GigabyteのマザーにはIEEE1394bチップのTSB82AA2 + TSB81BA3が搭載されていました。

Link layerをチップセットに内蔵し、他社のPhysical-layerチップと組み合わせて使われる製品

Epox 8RDA+ではREALTEK RTL8801Bと組み合わせて使われていました。

IEEE1394(Firewire) link-layer
チップ・ベンダーIEEE1394 controllersポート数
link-layerPhysical-layer
NVIDIA link-layer内蔵サウス
nForce2 MCP-T--

他社のLink layerと組み合わせてPhysical-layerチップのみが使われることの多いベンダー

Physical-layerチップはPCIホスト・コントローラだけでなく、IEEE-1394からATAに変換するブリッジ・コントローラの一部としても使われています。 性能の比較はできませんが、この中ではagere FW802TI TSB41AB2の採用数が多いように思います。

IEEE1394 Physical-layer(PHY)
チップ・ベンダーIEEE1394 controllersポート数
link-layerPhysical-layer
TI TSB41AB3
-TSB41AB33-port
TSB41AB22-port
TSB41AB11-port
agere FW802B
-FW802(/B/BF/C)2-port
FW801(/A/BF)1-port
Lucent FW802-09
-FW8033-port
FW8022-port
FW8011-port
EPSON R72900 00A2
-S1R72900 F00A2-port
REALTEK RTL8801B
-RTL88013-port
RTL8801B2-port

マザーボードにPhysical-layerチップ単独で搭載されることは、あまりありません。また表中のLucentのチップは現在供給されていないと思いますが、古いPCには載っていることがあります。

agereとLUCENT

現在の agere(アギア・システムズ)は2001年にLUCENT(ルーセント・テクノロジー)のマイクロエレクトロニクスを分離独立させた企業。LUCENTとagereのチップが、ほぼ同じ名称なのは、たぶんこのためでしょうね。

これはIwillから出ていたPCIカードです、またLacieのカードにもagereが載っていました。PCIカードとしては、あまり見かけませんが、 Epox 8RDA3+オンボードのチップや、いくつかのAopenのオンボードコントローラーとして使われているのを確認しました。
2xサイズで表示


PCIカード

NECのμPD72873GCをIEEE1394コントローラに、μPD720100をUSB2.0コントローラとして使っているPCIカードです。

実は掲載当初、agere FW323を搭載したPCIカードの実物(上)を見かけたことがない...と書いたところ →『これでしょ!』...と早速メールをいただきました。さらに現行のNEC製チップのPCIカードの写真も、その後お送りいただきました、skyhawkさんの御協力に感謝します。
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おそらく、一番多く販売されているのはこのVIA製チップを搭載したPCIカードでしょう。
別の方にもVIAの写真を送っていただきました、御協力ありがとうございます。
2xサイズで表示


IEEE1394b(Firewire 800)ホスト・コントローラ

IEEE1394aの2倍の転送速度(理論値100MB/sec)を持つチップですが、2倍は出ないとか....理論値50MB/secのIEEE1394aでも35MB/secあたりが限界のようです。

IEEE1394b(Firewire800)
チップ・ベンダーIEEE1394 controllersポート数
link-layerPhysical-layer
Texas Instruments
1394b s800 コントローラ
TSB82AA2TSB81BA31394b
3-port
reference

  • FireWire : Apple社が開発しFireWire(ファイヤーワイヤー)と呼んでいたものを、IEEEが標準化したためIEEE1394とも呼ばれるようになりました、さらにSONYではこれをiLINKと呼びますがすべて同じ規格です。
  • IEEE : アイ・トリプルイーと読み電気電子学会のことです、Institute of Electrical and Electronic Engineersの頭文字を並べてIEEEと呼んでいるわけです。
TI/IEEE1394 : IEEE1394
agere : 1394 products
Lucent : FW803
NEC ELECTRONICS : IEEE1394
VNT(VIA Networking Technologies) : IEEE1394

  • 改訂:2006/07/17 EPSONチップの写真を追加
  • 改訂:2006/07/08, 2006/07/11 VIA及びNECチップの写真を追加
  • 改訂:2005/12/03 agere及びTIチップの写真を追加
  • 公開:2005/11/22

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