「最先端の加工技術」による1000円ファンコンの製作

現在はファン・コントローラが比較的安価で手に入りますが、何個も必要になった時にはその費用もばかになりません。
そこで....1つあたり1000円でファンコンが作れる画期的な方法を紹介します。

ファンコントローラ

低価格なファンコン FANCON-6P

低価格なファンコンは、1チャンネルの物であれば1000円未満の物も見かけますが、2チャンネル以上で1000円程度の製品はなかなか見つかりません。そこで今回の製作を考えたわけですが、まずは市販の製品の紹介から。


FANCON-6P
2000円程度で探すと、見つかるファンコンがこれ。販売元は玄人志向です。 フロントパネルは御覧の通りの色ですが、グレースモークのパネルにも差し替えられます。さらにつまみがブルーのLED12個で光るという派手な仕上がりになっています。

このFanconは5インチベイ正面に取り付けるタイプで、後方の残ったスペースに3.5インチHDを取り付けるためのブラケットとか、 マザーボードへファンの回転数を伝えるケーブルも付属しています。

仕上りはまずまず、見た目は好みにもよりますが.....まあ2000円ですから許すことにして、とりあえず安くファンをコントロールしたいなら、これで十分でしょう。 もしこれと同等の物を作ろうとして、電子パーツを小売店で買ったら、この値段内に収まらないかもしれませんね。
参照 → 玄人志向 FANCON-6P

5月にはいってからFANCON-6Pの調子がおかしいことに気付きました。パワートランジスタが過熱して不具合が起きているようです。あとでもう少し詳しく調べてから訂正記事を書くつもりですが、この製品のパワートランジスタの使い方に問題があるのかもしれません。(2005/05)

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ではさっそく、製作編へ.....


1000円ファンコンの製作

まず玄人志向のFANCON-6Pを買い、基板を取り出します。

このように金ノコで2つに切ります。もちろんホームセンターの特売で買ったノコでOK!。

以下の箇所で正確にカットします、10秒で済まそうとせず3分かけてカットする気持ちでやると、きれいに切れるはずです。


2チャンネルの方には12V供給用のケーブルを半田付けして完成。
4チャンネルの方はLEDの電流制限抵抗(R6)ごと切断してしまったので
図のように代わりの510オームを追加して完成です。

上の図で黄色の点は配線ポイント。


切断面は切りくずが残っていると、ショート事故を起こしかねませんから、平やすりなどでちゃんと仕上げておきます。 電流制限抵抗は手持ちの関係で1Kオームを2本並列で使いましたが、470オームなどの近い抵抗でかまいません。

完成

2000円のFanconで2個作れますから、1個あたり約1000円、ケースの内側に入れて回転数を半固定で使うにはこのままでも十分でしょう。ただし裏側が金属面に接触しないように注意します。
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私は3.5インチベイに入るように、温度計といっしょに組み込んで使っています、 実際やってみたら、2分割する加工より面倒でした。私は余っている温度計を使いましたが、それをわざわざ買うくらいなら、別のFanconを買ったほうが良いかもしれませんね〜。


ところで、最先端の加工技術の件は、どうなったのか?

金鋸で基板を切るのはやってみれば案外簡単です。
しかし、使いこんだ金ノコでは、刃の中程は切れ味が悪くなっていたりするので.....

つまり...





















刃の...最先端で加工するってことで(逃)
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作成:2005/04/01


記事訂正

このページでは安価で購入できるFANCON-6Pを、ネタを交えつつも本気でお勧めしようと思って書きました、玄人志向のチョイスは安価で楽しい物が多いので結構好きなのです。しかしながらパワートランジスタが過熱して不具合が起き、原因を調べたところ、FANCON-6Pはお勧めできないようです。

この製品は使用状況にもよりますが、Fanを低速で回した場合にトランジスタが過熱し、Fanが停止する可能性があります。

私が購入したFANCON-6P に使われていたパワートランジスタは、2SD882でヒートシンクなしの状態で実装されていました。 回路を調べたところトランジスタはエミッタフォロアで使われていましたので、ボリュームで電圧を下げた時は、その降下電圧分がトランジスタで消費されるはずです。 NECのデータシートから、2SD882のヒートシンクなしの場合の許容損失は1Wとなっていましたから、仮に5V電圧を落とすとすると、最大でも0.2A程度しか流せないことになります。ファンの消費電力が電圧に比例して下がるとしても、これではせいぜい0.3Aがぎりぎりです、しかし 通常トランジスタを許容損失いっぱいまで使うことはありえません、実用上はそれより十分少ない電流でしか使えないはずです。
[NECエレクトロニクス]ドキュメント情報 : 2SD882

もしかすると、私が買ったあとに仕様が変更されているとかの可能性もあるので、すべての製品の問題かどうかは、わかりません。