PCの静音化

ファンの音が気になる、これをなんとかするためにファンへの供給電圧を下げたのだが....。

以下の内容は2000年12月に書いた記事を改訂したものです、この当時はあまり入手性のよくなかったファンコントローラが、現在は比較的安価で手に入るため、それを使ったほうが便利です。しかしファンコンを使わなくてもなんとかなる.......とは言え、次回はファンコンの改造を取り上げる予定。

FANの低電圧化

ファンの騒音を抑える

静かなPCが欲しくて、CPUを低発熱な製品に変えたり、CDやHDなどのパーツに静かな物を選んだとしても、CPUファンが高速で回っていては、ちっとも静かではありません。ある程度発熱を減らしたシステムにすることができれば、高性能なヒートシンクと低騒音のファンでも問題なく動作させることができます。

オーバークロックのテスト中は我慢していましたが、やはりリテールヒートシンク付属ファンの音は、使う気にならないほどうるさく感じます。そこでヒートシンクとファンの交換をしたところ、やや静かにはなりました。しかし結局それだけでは終わりませんでした...これはそのドタバタの記録と考察です、まずはその経過から。

ファンの交換
リテール ヒートシンク+ファン
↓ ヒートシンクごと交換
KANIE Hedgehog-238Sに交換
↓ しかし、付属のファンはうるさいので
SANYO 6cmファンに交換
↓ 風量は増えましたが、静かとはいえず
Nidec 8cmファンに交換
これでなんとか静かになりました。(右の写真)

ファンの騒音

■ 風を切る音

6cmファンから8cmの低速ファンに変えることで騒音を減らしました。 音の大半はシーという風を切る音のようで、回転数が高いほど大きくなります。風量はファンの直径が小さいほど少なくなりますから、それを補うため小型のファンはどうしても高速回転の製品が多く、その音が耳につくことになります。風量を落とさずに騒音を減らすには、大きなファンに変えるのが定石です。8cmかまたはそれ以上のサイズがお勧めです。

■ 軸受けから発生する音

カラカラとかビーとかいう感じの音ですが、通常は風を切る音のほうが大きくて、これらの音はあまり気になりません。しかし2000回転以下の低い回転域になってくるとファンによっては、これらの音が目立つようになります。 私は松下の流体軸受けやNidecの物に期待し試しましたが、他社に比べて静かになったという印象はありませんでした。それでも信頼性を考えると、ちゃんとしたメーカー製の物のほうが安心ですが、音に関してはファンの回転数の影響が支配的のようです。

8cmファン

KANIEのヒートシンクは6cmファンを取り付けるように出来ています、また銅製のため重いので、これに大きなファンをつけるとその重みでヒートシンクが傾きコアの密着不足が起きないかと不安でした。このためヒートシンクにファンの荷重がかからないように、8cmファンをL金具で匡体に固定しました。

写真では8cmファンを6cmファン用のヒートシンクに使うため、ゴムを使ってダクトのような物を作り使っています。しかしこの方法では、ゴムの劣化によりヒビが入り長期使用には耐えないことがわかり、その後8cmから6cmへの口径変換アダプターを購入して使いました。


電源の騒音

CPUファンの音は静かになったものの、こんどは電源ファンの音が目立つようになってしまいました。

**さっそくファンをSILENCER(8cm低速)に交換し、ついでに風きり音を防ぐため吹出口のスリットも切り取りました。
ファンの交換により風量が減るので、電源の放熱が不足するはずですが、幸い排気温度の上昇もわずかで、とりあえずは問題なさそうです。
ただ電源内部のパーツレイアウトが悪く、風切音が少々残ってしまいました。 これで電源は静かになりました。しかしまたCPUのファンの音が耳につくようになってしまいました。


電源ファン交換

電源ファンの交換は、電源内部の放熱が不足し電源が異常過熱する可能性があり危険です。このため基本的にFANの交換はさけるべきでしょう。 やはり『まともな電源で静かな物に交換する』のが一番です。しかし、どれがまともな製品なのか良くわからないのが一番の問題だったりしますね〜。

私がここで使った電源は安物で、ファンが常時高速回転しているタイプの物でした。そこで定格の最大出力より十分低いレベルでの使用なら、それほど問題がないだろうと考え安易に交換をしました。吹出口のスリットも切り取りも、たぶんEMI防止の観点から好ましくないでしょう。その後、支障は起きませんでしたが、あまりにも粗悪な電源だったので廃棄しました。

ファンの回転数を下げる

CPUファンの騒音をさらに減らすには、ファンの電圧を下げるしかありません。そこでファンへの供給電圧を下げるためのテスト用アダプターを作りました。これはファンの12vを供給する側にダイオードを7本直列に入れスイッチでその有効な本数を加減できるようにしたものです。
これを使って約12Vから7.5Vまで電圧を変え手持ちのファンを試してみましたが、この範囲ではすべてのファンが動作しました。またこの時のダイオードの降下電圧は実測で1本あたり約0.65Vでした。

今回、適当なスイッチの持ち合わせがなくDIPスイッチを使っていますが、これも不適切です。もし同様の物を作る場合は電流定格1A以上のスイッチを使ってください。また写真ではダイオードが4本しか見えませんが裏側に3本配置しています。

ファンの回転数と電圧の関係

電圧と回転数の関係を調べてみたのがこの表です。 きっちり電圧に比例して回転数が変わるようです。その結果冷却能力も変化しますが、わずか2V程度さげるだけでも騒音は結構低くなることがわかりました。

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ファンは5種類試しましたが、回転数を検知できるのは2つだけ。

ダイオードの本数を決めファンに埋め込む

小さな基板にチップ・ダイオードを5本直列にし、ファンの配線引き出し箇所に直接埋め込みました、ファンにかかる電圧は約9Vになり、騒がしくて使う気にならなかったファンが比較的静かになりました。あまり低い電圧にするとファンが起動不良を起こしますが9V程度なら、ほぼ問題ないでしょう。

このダイオードを入れて電圧を加減する方法は古典的ですが、ファンの消費電力にかかわらず1本あたり0.6V程度確実に電圧が下がり、それを維持してくれるので長期間安定して使えるはずです。また整流用ダイオード定格電流1A 程度の物なら安価なのも利点です。 どうして抵抗を使わないの?と思われるかもしれませんが、抵抗ではファンの消費電力によってファンにかかる電圧が変動するため起動不良を起こしかねないので、あまりお勧めできません。


性能を変えずに低騒音にするには.....

ファンの回転数を低くすると騒音も効果的に減ります。その場合、風量も落ちるので放熱不足が起きないような対策、例えば定格での回転数が低い現状より大きなファンを使用したり、放熱効果の高い大型のヒートシンクを使用するなどの工夫が必要になります、またCPUに関しては低電圧、低クロックで動作させるなどの、発熱自体を減らす工夫も必要な場合があります。

試していて気がついたのは、もともと静かなファンでも、取り付けた時にファンの吸入、吹出口近くになにか障害物があると、それが回転するファンに近いほど、気になる風切音をたてるということです。

なめらかな空気の流れを乱すと風切り音が発生します、ファンやヒートシンク、電源内部のパーツレイアウトや匡体形状まで含めた総合的な見直しが静音化に繋がりますが、高性能との両立が難しいようです。


さて、こんどはハードディスクの音が1番うるさく感じるようになりましたが、最新のハードディスクは比較的静かですから、これが気になるようになれば、比較的静かなPCなのではないでしょうか。

  • 更新履歴
  • 全面改訂:2004/07/17
  • 作成:2000/12/10

KANIE Hedgehog-238

Duronリテールのヒートシンクは、2度と取り付けをしたくないと思うほどバネが硬いので、カニエのヒートシンクに付け替えました。

カニエの取り付けは、両手の人さし指で金具を下げ親指でロックすると、簡単に取り付けることができました、 しかも良く冷えてくれるので、気に入っています。

2004年の現在ではPAL8045とか、鎌風あたりが主流のようです。


Fan data

Duronリテールファン
DC 12V 6cm
実測6800rpm

kanieの238S付属 6cm
SHICOH ICFAN
0610-12HH
DC 12V 0.15A

SANYO DENKI 6cm
DC Pico Ace25
109R0612S406
DC 12v 0.17A
実測4700rpm

Nidec BETA SL 8cm
D08A-12PH 02A
DC 12v 0.09A
表示:2400rpm

SILENCER 8cm
Model 802 812
DC 12v 0.075A


ダイオード

通常シリコンダイオードに順方向電圧を与えると0.6v〜0.7v程度、電圧をドロップさせることができます。
これを利用した単純なもので安全性は高いはずです。

**

ダイオードの線は放熱も兼ねています、極端に短くしないように本体から5mm以上あけて曲げたほうが安心です。

今回使用した物は以前購入したので、品番がわかりませんが、シリコンダイオードの小さなもので、1A程度の定格があれば十分です。

ただし、ファーストリカバリーダイオード、ショットキバリアダイオードなどの高級な物は順電圧が低いのでこれには向いていません。


EMI
電磁波妨害
Electro Magnetic Interference