VIA KT-133チップセット

SocketA用として初期に開発されたチップセットで、ノースはVIA VT8363 、サウスはVT82C686Bが使われています。 定格FSBクロックは100Mhzで、変更したとしてもせいぜい110Mhz程度が限度ですから、100Mhzのまま使ったほうが無難です。ただしメモリはPC100は同期として、PC133は非同期として、どちらでも使うことができます。FSB133が使えるのは、このあとにリリースされたKT-133E及び KT-133A以降です。

以下の記事は2000年〜2002年にかけて書いたものですから、このまま最新のマザーボードに使えるわけではありませんが、改造の考え方としては現在のマザーボードもほぼ同様の手順です。


 KT-133/A , GIGABYTEマザーのオーバークロック改造

  1. GA-7ZX-1の改造、SocketAのピン配置図、改造を始めるまでの手順を中心に説明。
  2. GA-7ZXRの改造、方法は7ZX-1と同じ、DIPスイッチを使用したコントロール回路を説明。
  3. GA-7ZX-Hの改造、7ZXシリーズ共通として図版を変えて再構成した内容となっています。
  4. OC回路にトランジスタを使って一気に動作クロックを設定する、もう一つの方法。

これらの内容はDuron Spitfire, Athlon Thunderbirdコアを対象にしています。
Palomino,Morgan以降のコアは、これらのマザーボードでサポートされているわけではありませんが、動作できる場合もあるようです。 仮に動作可能として、これらの新コアのみを使う場合は、倍率変更改造におけるFID信号の加工を省略できます。この場合K7TPro2-Aと同様の改造手順です。

 KT-133 , MSIマザーのオーバークロック改造

  1. K7Tpro2Aの改造、マザーボードベンダーに関係なくPalomino以降のコアを動作させるための一般的な改造方法。

この内容はAthlonではPalomino以降, DuronではMorgan以降を対象にしています。ただしこのマザーボードではPalomino以降のコアはベンダーのサポート対象外です。
当方ではAthlonXP-M2500+(Mobile Barton)の動作も確認しましたが、Revの違いによるためかリセットが出来ないなどの障害が出る場合もあるようです。


GA-7ZX Series Overclocking

この内容はDuron [Spitfire], Athlon [Thunderbird] コアを対象にしています。
このマザーではPalominoコアのAthlon MP, Athlon XP, Mobile Athlon 4はメーカー側でサポートされていません
MorganコアのDuron、Mobile Duronでの動作は未確認です。

GA-7ZX-1 オーバークロック改造

改造のターゲットは、GIGABYTE GA-7ZX-1です。 標準でオーバークロック可能なKT-7などのマザーを購入しないで、わざわざこんなことをしたのは、ブルーのレジストが美しいこのボードを使ってみたかっただけなんですけどね。(2000年10月)

GIGABYTE GA-7ZX-1
改造済の7ZX-1、この写真中央下のIDEコネクタ左に、SWを取り付けました。

定格動作を確認後、CPUのピン配置図とマザーのパターンを見くらべて、配線する箇所とカットする場所を探し、改造方法を決めていきます。


7ZX-1は7ZXの一部の機能を省略した製品です。7ZXはDualBIOS、サウンド、ISAなどが付加されています。


かならずお読み下さい

この改造箇所は、私の購入したマザーを調べて行ったものです。
安全性にはできるだけ配慮したつもりですが、適切でない改造内容を含むことも考えられます。

実際に改造される場合は、この内容とターゲットのマザーに違いがないかを検証できる方のみ、お試し下さい。

また、他のメーカーのマザーでも同様な改造が可能と思いますので、改造を始めるまでの手順を含めて紹介します。

Socket A : Duron/Athlon Pin Descriptions - ピン配置図 -

この図を見ながらソケットの各IDピンに目印を付けます。

SocketA Pin Descriptions


各IDピンから、目視とテスター*で配線を追いかけます。

このマザーの場合、FID信号は裏側からパターンが見えるので比較的簡単に調べられました。

しかしVID信号のパターンはマザー表から配線されているようで裏側からは見えません。
幸いコアボルテージレギュレータであるHIP6302のVID入力ピンに直接つながっていましたので ここから逆に配線をたどりました。

* テスターは導通チェックさえできれば、安価なデジタルテスターでかまいません。

BP_FID - 配線位置、詳細1 -

マザー裏のBP_FID pinからコントロールSW(BP_FID SW)に配線します。
socketA bp_fid
パターンカット画像
を表示

BP_FID V_CORE 配線

BP_FID pinから出ているパターンは見あたりません。
もしパターンがある場合は、OC回路の準備があるということになりますから、この改造を中止し、パターンを追って機能を調べます。

コントロール回路に必要なVccは、CPU横のベタパターン(Vcc_CORE)を使用しました。
しかし小型の半田ごてでは、半田付けが難しいので、BP_FIDピン横のVcc_COREを使用することをお勧めします。

またGNDはマザー取り付け用の穴と導通するところを探せばいいはずです。

FID - 配線位置 詳細2 -

SocketのFID pinからは4本のパターンが見え、これを追うとマザー表のLED横にある、Q35〜Q38に接続されていました。ここにコントロールSW(FID SW)の配線をします。
改造の最後にSocketのピン横でこのFIDパターンをカットします。

p5 p5


FIDはRN46にも接続されていますので、ここにコントロールSW(FID SW)の配線をする方法も考えられます、しかしピッチ1mm以下のハンダ付けが必要となるので、難しすぎます。

VID - 配線位置 詳細3 -

コントロールSW(VID SW)の配線はプリンタポートとCPUソケットの間の空きパターン、U19に接続します。
改造の最後に、CPUのVID pinからマザーのHIP6302へのパターンをカットします。

p5 p5


HIP6302

コントロールSW(VID SW)の配線はHIP6302の入力ピンでもokです。


左下からVID 4 3 2 1 0

VID信号はプルアップして使用されているはずなので、CPUのVID信号を切り離す時、このプルアップ抵抗を生かしたままカットできる場所をさがす必要があります。



コントロールSW - ロータリーSW -

手動設定用コントロールSWを取り付けたところです、
左からFID-SW , BP_FIDa , BP_FIDb , VID-SW , 補助DIP-SWです

sw

コントロールSWの作成方法には、いろいろな方法がありますが、今回はロータリーSWを使って作成しました。

配線図を表示

設定表を表示



Test

Duron 700AST1B 2000年23週を使ってテストしました、予定通りに倍率が切り替えることができました。
デフォルトのコア電圧1.5vで800Mhzまで動作、1.6vで900Mhz、1.85vでついに1G動作を達成することができました。

WCPU IDを表示

疑問点 低電圧駆動の問題

コア電圧を1.35v以下に設定した場合、起動できないことがありました。
BP_FIDで使用するVcc電圧の低下が原因かと考え、試しにVcc電圧を2.0vに変えてみましたが、結果は同じでした。

BP_FID部分の信号はコアに直結しているようですから過電圧は非常に危険で、ここに他のピンの入力条件である2vを与えていいかどうかも疑問です。

電流制限抵抗の値が大きすぎて、低電圧動作の場合にBP_FIDの乗っ取りに失敗していることも考えましたが、 デフォルトの倍率でも失敗するということから、OC回路の問題ではないと思います。
ハードウエア叉はBIOSでなんらかの制限をしているように感じますが、よくわかりません。


data sources

Intersil : HIP6302
http://www.intersil.com/data/fn/fn4/fn4766/index.asp

動作しない場合

動作しない場合、ハンダによるパターンのショートや、配線ミスが原因である可能性が高いはずです。

そうでないとすると、CPU のL1クローズの失敗も考えられます。私の場合最初L1クローズに失敗し、特定のクロックでパワーのLEDがつかず、CPUファンが起動直後に停止し起動しないという状況を経験しました。



2001 06/15 ページを再編集
2001 06/03 配線図差し換え。
2000 12/03 内容更新
2000 10/18  新規作成