ASRock K7VM3 AMI BIOSでの倍率設定
AMDのSempronや倍率固定のAthlon XPでは起動倍率の変更はできません、しかしこのASRockなら実質それが可能となる。
ASRock K7VM3 [ KM-266PRO ]
センプロンがどんなCPUなのか、そのチェックのために『CrystalCPUIDの倍率変更が可能で、とにかく安いこと』を第一に考えて購入したのが、このASRock K7VM3です。 実際に使ってみると、この値段にしては、なかなか良さそうなボードのように思えてきました。

ASRock K7VM3 仕様
- Socket A ( AthlonXP, Sempron, Athlon, Duron )
- FSB : 200/266/333
- Chipset : VIA KM266Pro
- 2 x DDR SDRAM PC2700, 2GB max.
- 2 x E/IDE Ultra DMA/133
- 2 PCI slots , 1 AGP 4X(1.5v)
- 4+1 USB 2.0 ports
- 1 x LAN 10/100 Mbit
- 1 FD , 1 serial ports , 1 parallel port
- VGA (Integrated UniChrome graphics)
- BIOS 2Mb AMI BIOS with ACPI, SM BIOS 3.0
- Micro ATX

チップセットは、KM-266Pro/VT-8235と聞き慣れませんが、KM-266と違ってFSB333をサポートしています。またBIOSは正式にセンプロン対応となっています。
オーバークロック機能として、ジャンパーによる5bitの起動倍率設定ができますが、Sempronや後期のAthlon XPに対しては無効です。コア電圧は5%および10%のアップのみ可能でした。 その他、使われているチップに目新しい物はないので詳細は省略します。
このボードに決めた理由は低価格(約5000円)というだけではなく、重要な部分のコンデンサに日本のメーカーの電解コンデンサが使われていたからです。もし質の悪いコンデンサが使われていると液もれや破裂を起こすこともあり、これだけでもたいへん安心感があります。
ASRockが搭載するAMI BIOSの特殊な機能(Mobile CPUでの倍率設定機能)
今回使ったCPUはセンプロン2500+の製造時期は2004年27週で、CPUID=681のサラブレッドBコアが使われていました。
- AMD Sempron 2500+ ( SDA2500DUT3D )
- 定格クロック:1750Mhz
定格倍率 (FSB):10.5 X (167)
定格電圧:1.60v
CrystalCPUIDなどで倍率を変えるために、まずSempronのL5[2]をクローズしてモバイル化します(BIOSにモバイルと認識されるようになる)。
しかし、このボードではAMIBIOSが採用されていますから、モバイル化しても設定できる倍率が限られるのが残念 ... と思っていました。

この写真はモバイル化した後のBIOS画面です、167 X 11=1833Mhzで起動しているのがわかります。
通常AMIBIOSではモバイルCPUを検出すると、L6ブリッジからモバイルの定格倍率を取得し、BIOSは、その倍率に変更してからシステムをブートします。今回は、もともとがデスクトップ用のCPUなのでL6は使用していませんから、すべてクローズになっています。L6がすべてクローズの場合は定格が11xとして認識され、11xで起動します。
ここまでは便利ですが、CrystalCPUIDで倍率を変更しようとすると、最大倍率もL6によって決まるため、倍率は下げられるけど、上げられない、という問題が起きてしまうのが一般的なAMI BIOSの難点です。
ところがAsrockの一部の製品では、モバイルCPU(またはモバイル化)を使った場合のみ、AMI BIOSの特殊な機能を使って倍率がセットできるのです。
これらのマザーボードではモバイルCPUと認識されると、
BIOS設定のAdvancedの項目にCPU Ratio Selectionが表示され、L6ブリッジの倍率を上限として起動倍率を任意に選択することができます。
これは当初K7S8XE+だけに搭載されていた機能ですが、いつの間にか対応製品が増えていました。この機能を搭載していると思われるのは以下です。(実は最初この項目に気付かず、owletworksに指摘され、驚きました。)
- K7S8XE+ BIOS v1.91a
- K7VM3 BIOS v1.30
- K7VT4A+ BIOS v1.30
- K7VT6 BIOS v1.30
- K7VM4 BIOS v2.50
上記はAMIBIOS Version'7' を採用しています。最近のAMIBIOS Version'8' を使用したKT880等の搭載製品は、おおむね mobile CPU使用時にもL3倍率(または定格)で起動するらしい、とのことです。→ owletworks 参照
従来のマザーボードの倍率設定との違い
従来のマザーボードでは、CPUの隠し機能を使い、CPU自身の定格倍率の認識をごまかすようなことをして 倍率を設定していいました、しかしこのAMI BIOSの倍率設定は、モバイルCPU自身の倍率を変更する機能を使うものなので(CrystalCPUIDも同様)、起動倍率がロックされているCPUに対しても有効です。ただしCPU自体の起動倍率が変わるわけではありません、BIOS内のルーチンで起動直後に倍率を設定値に変更しているだけです。
L5クローズによるモバイル化
ASRockが搭載するAMI BIOSの特殊な機能を使うために必要な作業は、Semoronの場合 L5[2]のクローズによるモバイル化だけです。この段階で3x〜11Xまで倍率が設定可能になり、さらにL5[1]をクローズすると設定可能な最大倍率が24xとなります。 正規のAthlon XP-MはデフォルトでL5[2]はクローズですから、改造なしでこの機能が使えます。必要であればL5[1]をクローズして最大倍率を24xにすることもできます。

従来のAMI BIOSではL6の倍率を取得して自動的に倍率が設定されましたが、
このボードに使われているAMI BIOSでは、この倍率設定をBIOSメニューから選択することができます。このためL6を変更したとしても、その倍率とは別の倍率で起動させることができ、さらにL6設定を無効にし最大倍率が24xになるL5[1]クローズを行った場合でも支障がないようです。
通常のAMI BIOS搭載のマザーボードではL5[1]はそのままにしておかないと問題が起きます。 → *注。
Semoron2500+のCrystalCPUIDでの表示
実際に改造したSemoron2500+を起動し、CrystalCPUIDで確認してみると、御覧の通りとてもSemoronのCPUIDとは思えないような表示になり、
Original Multiplier が 24xとなっていることも確認できます。

CrystalCPUIDでの倍率変更

L5[1]、L5[2]の両方をクローズしたとしても起動できるこのAMI BIOSでは、BIOSメニューや、CrystalCPUIDの倍率変更機能を使って自由に倍率を設定できます。
上はデフォルトの起動、下はコア電圧1.60vの時の最大クロック(スーパーパイ104桁条件)です。
今回使ったセンプロン2500+は、残念ながらあまりオーバークロックできそうになく、これ以上は試していません。もちろんオーバークロック耐性の傾向は製造週による影響が大きく、センプロンだからOC耐性が悪い、ということではないはずです。
まとめ
Asrockの一部の製品に搭載されているAMI BIOSの倍率設定機能は、デスクトップCPUであるAthlon XP, Sempron, Duron(Morganコア以降)をL5ブリッジでモバイル化することで有効になります。 また、GeodeNX, Athlon XP-M, Mobile Duron(Morganコア以降)はモバイルCPUのため、そのまま利用できます。 最大倍率の変更は上記のどのCPUでも可能なはずですが、パロミノ及びCPUID=680のサラブレッドコアの場合はその設計上18xが最大となります。
ASRock K7VM3は平凡なスペックなですが、とりあえずAthlonXPを動作させてみたい、改造して倍率変更を試してみたいと、いう方にはお勧めできます。電圧が下げられないという欠点がありますが、比較的容易なDIP-SW取り付け改造により変更できることを確認してありますので、次のページで紹介します。
- reference
- archive:owletworks
- ASRock
- 更新履歴
- 修正:2005/01/28
- 公開:2004/11/23
