Geode NXの詳細 ブリッジ設定

CPUの定格は、パッケージ表面のブリッジで設定されています。これはジャンパーのようなもので、
黒い溝があればカットされた状態(= オープン)、なければ接続された状態(= クローズ)。

このページはGeode NX 1750がベースとなっていますが、基本的にAthlon XP-Mも同様です。

Geode NXプロセッサ、ブリッジ設定の詳細

ブリッジ

  • L1:起動倍率変更 有効(デフォルト)
  • L2,L9:Level2 Cache認識
  • L3:起動倍率 設定
  • L5:動作モード 設定(XP MP,XP-Mなどの区別)
  • L6SFID 定格倍率 設定(モバイル版用)
  • L8SVID 定格電圧 設定(モバイル版用)
  • L11VID コア電圧 設定
  • L12:FSBセンスピン 設定
  • ブリッジのIDとその番号について
  • ブリッジの加工について

ブリッジについて

ブリッジはCPU裏側のピンとも密接に関係しており、それを読みとることがマザーボードを改造する時の重要な情報となるため掲載しています。ブリッジの加工は、その作業方法によっては、内部パターンの切断、または近接するブリッジとのショートを起こす可能性があります。またCPUの信頼性を低下させることにつながりかねませんから、ブリッジの直接加工以外に方法がない場合を除き、その加工はあまりお勧めできません。

ブリッジのID(番号)はデータシートにはない非公式なものです。 ブリッジ脇の小さな金色の三角マークに近いほうからID0、ID1...とすれば データシートとのIDの整合性も良く、ルールも単純です。 また、その機能も推測したものでありデータシートにはありません。


L1ブリッジ [ BP_FIDピン入力からの中継 ]

L1は、そのまま使用します。
倍率変更機能のあるマザーボードで起動倍率を変えるには、このL1ブリッジがすべてクローズになっていることが必要ですが、すべてクローズで出荷されています。

Geode NXやAthlon XP-Mは起動倍率の変更が可能です、しかしSempronや一部のAthlon XPでは起動倍率は、L1の状態に関係なく定格倍率にロック(海外ではスーパーロックと言われている)されています。


L2ブリッジ Level2 cache設定


L2L9ともに、そのまま使用します。
L2ブリッジは、L2 cacheの認識をコントロールするための設定です、すべてクローズの状態がデフォルトで、Geode NXではL2キャッシュ256kとして、BartonコアのXP-Mでは512kとして認識されます。

L9はすべてオープンです、 L2サイズを外部からハードウエアで設定できるようにする改造を行う場合のみ、必要になるブリッジです。(通常そのままにしておく)


L2ブリッジ
OPNL2[3:0]L2 Cache製品名
ANXS1750FXC3SCCCC256kGeode NX (T-bred)
AXMH2200FQQ3CCCCC256kXP-M (T-bred)
AXMG2600FQQ4CCCCC512kXP-M (Barton)

T-bred* = Thoroughbred


L3ブリッジ [ 起動倍率設定 ]

L3は起動倍率が設定されているブリッジです。6Xか5Xで起動する理由はこのブリッジにありますが、多くのボードではソフトウエアによる倍率変更を使うことで、改造しなくても問題ないはずです。

もし加工をする場合は、クローズになっているID[3]ID[0]ブリッジをカットすれば10.5Xまで起動倍率を上げることができます。この状態なら、マザーボードの倍率変更機能を併用しても問題ありません。しかし、オープンになっているブリッジを溝埋めでクローズにした場合は、ブリッジがGNDとショート状態にあるため、マザーボードの起動倍率変更機能は動作できなくなります。

  • L3-FID 4がクローズ:5X〜12.5Xまで設定可能 Geode NX, Athlon XP-M
  • L3-FID 4がオープン:13X〜24Xまで設定可能

仮にID[4]をオープンにしたとすると、起動倍率は13X以上になります。 しかしこの状態では、多くのマザーボードで起動倍率変更機能が動作できなくなります。 詳細→動作倍率/BP_FID 4pin

12.5xを挟んだ倍率変更(例えば12xから14Xへ)をサポートしているボードも存在します, その場合はL3-FID 4の状態にかかわらず倍率が変更可能です(Abit NF7シリーズなど)

L3ブリッジと起動倍率の関係
OPNL3[4:0]起動倍率製品名
ANXS1750FXC3SCC::C6XGeode NX 1750
ANXL1500FGC3SCC::C6XGeode NX 1500
ANXL1250FYC3SCC:CC5XGeode NX 1250
AXMH2200FQQ3CCC::C6XAthlon XP-M 2200
AXMS1600FWS3BCC:CC5XAthlon XP-M 1600

L3ブリッジ設定表 FSB:133版

ブリッジ加工によって倍率を変更しなければならない場合は次の表のように設定します。

倍率Clock
(FSB133)
L3-FID[4:0]Model#
5.0x 667MCC:CCMobile*1
5.5x 733MCC:C: -
6.0x 800MCC::CMobile*2
6.5x 867MCC::: -
7.0x 933MC:CCC -
7.5x1.00GC:CC: -
8.0x1.07GC:C:C -
8.5x1.13GC:C:: -
9.0x1.20GC::CC -
9.5x1.27GC::C: -
10.0x1.33GC:::C -
10.5x1.40GC:::: -
11.0x1.47GCCCCCXP 1700+
11.5x1.53GCCCC:XP 1800+
12.0x1.60GCCC:CXP 1900+
12.5x1.67GCCC::XP 2000+
倍率Clock
(FSB133)
L3-FID[4:0]M_133#
13.0x1.73G:C:CCXP 2100+
13.5x1.80G:C:C:XP 2200+
14.0x1.87G:C::C -
21.0x - :C::: -
15.0x2.00G::CCCXP 2400+
22.0x - ::CC: -
16.0x2.13G::C:C -
16.5x2.20G::C:: -
17.0x2.27G:::CC -
18.0x2.40G:::C: -
23.0x - ::::C -
24.0x - ::::: -
n/a x :CCCC x
19.0x - :CCC: -
n/a x :CC:C x
20.0x - :CC:: -

[ C=クローズ(論理0)、=オープン(論理1)]
Mobile*1:Geode NX 1250、一般にはモバイル版でFSBが100の製品の起動倍率
Mobile*2:Geode NX 1500など、一般にはモバイル版でFSBが133の製品の起動倍率
n/a:この設定での起動は不可

モバイル版のCPUであるGeode NXやAthlon XP-Mでは現在でもL3による起動倍率の変更が可能です。ブリッジ加工によって13X以上のブリッジ設定にした場合、動作できない可能性もありますから、可能であればこの加工をせずに倍率変更回路を取り付けることをお勧めします。詳細→Barton 動作倍率/倍率変更回路


L5ブリッジ [ CPU 動作モード ]

CPUが、どのような製品であるかという認識の違いは、このブリッジによって決まります。
CPUコアは、ネイティブモードではモバイルCPU、マルチプロセッサ構成可のモードで動作し、L5ブリッジにより モバイル機能及びマルチプロセッサ構成無効として製品化されたものがデスクトップ版。モバイル機能のみ無効として製品化されたものがMPと考えるとわかりやすい。このブリッジを加工することにより、デスクトップ版をモバイル版にとか、XPをMPとして動作させることなどが可能になります。


L5ブリッジのデフォルト設定

L5 [3] クローズ : MP 動作有効
L5 [2] クローズ : モバイル 動作有効
L5 [1] オープン : SFIDL6で認識
L5 [0] クローズ : SVIDL8で認識


L5ブリッジと製品ブランドとの関係
OPNL5ブランド備考
[3][2][1][0]
ANXS1750FXC3SCC:CGeode NXNX 1750 (T-bred)
ANXL1500FGC3SNX 1500 (T-bred)
AXMS1400FWS3BCC:CAthlon XP-MXP-M 1400+ (T-bred)
AMSN2200DKT3CC::CAthlon MPMP 2200+ (T-bred)
SDA2400DUT3DC::CSempronSempron 2400+ (T-bred)
AXDA1700DLT3C:::CAthlon XPXP 1700+ (T-bred)

そんなことして、動くの?
モバイル版のデスクトップ化は、モバイル機能を停止するだけですから問題ないでしょう。 デスクトップ版のモバイル化は、おおむね1.2V程度以下の低い電圧では安定動作しない製品もあるかと思いますが、ある程度の電圧までなら(電圧はマザーボード側の対応にも関係します)、ほとんどの製品が動作するようです。ただし、消費電力が本来のモバイル版と同等になるかどうかまではわかりません。(たぶん製品の固体差によって結果が違うでしょう)

Athlon MPはデスクトップ版より、より信頼性の高い動作が要求されますから、Athlon MPのほうが動作マージンが多く確保されていて、TDPの関係から消費電力もやや抑えられている可能性があります。デスクトップ版のMP化に関しては、温度の管理や、電圧、クロックなどのマージンを削らないような方向でシステム組まないと問題が起きないとも限りません。

Geode NXに関しては上の図のようにAthlon XP-Mと同じ設定になっています。またL5[3] はMPと同じですから、そのままでDual用のCPUとしても利用できるようです。


L6ブリッジ SFID [ モバイル版用、定格倍率 ]


L6はモバイル版CPU専用のFIDブリッジのようなもので、Geode NXでも定格倍率がセットされています。 このブリッジはPowerNow!CrystalCPUIDなどのソフトウエアから倍率を変更する場合の上限倍率として認識されます。

L6上限倍率のキャンセル
L5 [1] をクローズすることでL6ブリッジの値にを無効にし、上限倍率を24Xすることができます。ただしAMI BIOS搭載ボードの多くでは起動できなくなる可能性があります。


倍率Clock
FSB133
Clock
FSB167
L6[4:0]Model#
5.0x 667 833CC:CCANXL1250FYC3S
5.5x 733 917CC:C: -
6.0x 8001000CC::C -
6.5x 8671083CC::: -
7.0x 9331167C:CCC -
7.5x10001250C:CC:ANXL1500FGC3S
8.0x10671333C:C:C -
8.5x11331417C:C:: -
9.0x12001500C::CC -
9.5x12671583C::C: -
10.0x13331667C:::C -
10.5x14001750C::::ANXS1750FXC3S
11.0x14671833CCCCCXP, Sempron
11.5x15331917CCCC:AXMD1800FVQ3C
12.0x16002000CCC:CAXMH1900FLQ3C
12.5x16672083CCC::AXMH2000FQQ3C
倍率Clock
FSB133
Clock
FSB167
L6[4:0]Model#
13.0x17332167:C:CC -
13.5x18002250:C:C:AXMH2400FQQ4C
14.0x18672333:C::CAXMH2500FQQ4C
21.0x - - :C::: -
15.0x20002500::CCCAXMG2600FQQ4C
22.0x - - ::CC: -
16.0x21332667::C:C -
16.5x22002750::C:: -
17.0x22672833:::CC -
18.0x24003000:::C: -
23.0x - - ::::C -
24.0x - - ::::: -
3.0x 400 500 :CCCC n/a
19.0x - - :CCC: -
4.0x 533 667 :CC:C n/a
20.0x - - :CC:: -

ブリッジと倍率との対応はL3ブリッジと同一です。
FSB133の欄のクロックが定格です、FSB167の欄は参考値。

定格倍率で起動するボード

Geode NXやAthlon XP-Mを使った時、AMI BIOS搭載ボードの多くは、5xや6xではなく本来の定格倍率(たとえばGeode NX 1750なら10.5x)で起動します。このようなマザーボードではBIOSからこのL6ブリッジを参照し、起動直後に倍率を定格に再設定しているようです。このためマザーに倍率変更回路があったとしても結果的には無効となってしまいます。このタイプのマザーで倍率を変更するには、通常CrystalCPUIDによる倍率変更を使います。 参照→ ソフトウエアによる倍率変更、しかしどうしても....ハードウエア的に倍率を変える必要があるなら、L5ブリッジの加工によりMPかXPと同じ状態にすれば、BIOSはモバイル版でないと認識し、L3の設定通り5Xか6Xで起動し、ボードの倍率変更機能などが使えるようになるはずです。

デスクトップ版のCPUでL6は、まったく使われていないためすべてクローズとなっています。このためL5加工でモバイルと認識するように改造した場合はすべてクローズのL6の値としてL6=11Xとなります。


L8ブリッジ SVID (SOFT VID) [ モバイル版用、最大コア電圧 ]

L8 Geode NXの定格コア電圧が設定されています。 Geode NXを含むモバイル版のCPUではL8はL11ブリッジと同じ設定になっています。

通常のマザーボードでは、このブリッジを変えたとしても、何も変わりません、単に無視されるだけです。


デスクトップ版のCPUではL8は使われていないため、すべてクローズのままです。このためL5でモバイルと認識するように改造した場合は、すべてクローズのL8の値としてL8=2.0Vと認識されます。

モバイル版に完全対応したマザーボードでは、CPUのVIDピン出力の他に、ソフトウエアによってコア電圧が変更可能なSOFT-VIDピン出力(SVID)も使用します。L8ブリッジはこの時の定格電圧の取得に使われ、SVIDの最大値がセットされています。もしこれを変更するとたぶんPowerNow!が無効となりますから注意してください。(設定値はL11を参照)


L11ブリッジ VID [ コア電圧設定 ]

L11はコア電圧を設定しています。
Geode NX 1750の定格は1.25Vですが
自動認識では1.425Vになります。

ノートPCでは定格通り1.25Vになります。


Athlon VID Code 1
定格電圧 V_CORE (V)VID
MobileDesktop[4:0]
Athlon XP-MAthlon XP
Sempron
L11
2.000 1.850 CCCCC
1.950 1.825 CCCC:
1.900 1.800(N)CCC:C
1.850 1.775 CCC::
1.800 1.750(M)CC:CC
1.750 1.725 CC:C:
1.700 1.700(P)CC::C
1.650 1.675 CC:::
1.600 1.650(K)C:CCC
1.550 1.625 C:CC:
1.500(L)1.600(U)C:C:C
1.450(Q)1.575 C:C::
1.400(V)1.550(H)C::CC
1.350(J)1.525 C::C:
1.300(W)1.500(L)C:::C
- 1.475 C::::
Athlon VID Code 2
定格電圧 V_CORE (V)VID
MobileDesktop[4:0]
Geode NX
Athlon XP-M
-L11
1.275 1.450:CCCC
1.250(X)1.425:CCC:
1.225 1.400:CC:C
1.200(T)1.375:CC::
1.175 1.350:C:CC
1.150(C)1.325:C:C:
1.125 1.300:C::C
1.100(Y)1.275:C:::
1.075 1.250::CCC
1.050 1.225::CC:
1.025 1.200::C:C
1.000(G)1.175::C::
0.975 1.150:::CC
0.950 1.125:::C:
0.925 1.100::::C
- - :::::

C がブリッジクローズ、論理0、該当するVIDピンはGND(0V)
: がブリッジオープン、論理1、該当するVIDピンはオープン


VID

CPUの定格コア電圧値は5bitのコードとしてCPUから出力されています、これはVID信号と言われ、VIDブリッジL11によって設定されています。
VIDブリッジはCPUの内部で一方はGNDに、もう一方はCPUパッケージのVIDピンに接続されていますから、ブリッジのショート、オープンの組み合わせがそのままVID信号となって使われています。


コア電圧 = 1.85 - (カットされたブリッジの電圧合計)

[例1] 図のようにVID3がカットされていれば、
コア電圧 =1.85v - 0.2v = 1.65v

[例2] VID3と、VID1がカットされていれば、
コア電圧 =1.85v - 0.2v - 0.05v = 1.6v



L12ブリッジ FSBセンスピン設定 (FSB自動認識対応マザーのみ有効)

FSBの設定はマザーボードのBIOSかジャンパによって設定される場合が多いので、通常はこのブリッジは無視してかまいません。 しかし一部のマザーではFSBの認識にL12による自動認識が使われているようです。FSBがジャンパーなどで強制的に変更できない仕様になっているマザーでは、このブリッジを検知してFSBを強制設定しているようですが、正しく認識できない場合もあるようです。(例、GIGABYTE GA-7VAXP Ultraなど)Mobile CPUを使った時にFSBが100MHzに固定されてしまうという問題が起きるボードの場合はこのブリッジを加工することで、それを回避できるようです。
ただしFSB_Sense Pinの電圧を外部からSWなどで変更できるように改造したほうがよりスマートです。FSB/FSB_Sense Pin


左から L12 [ 3,2,1,0 ] とした時の各ブリッジの設定

L12 [3] :クローズ(デフォルト)
L12 [2] :FSB_Sense[1]
L12 [1] :クローズ(デフォルト)
L12 [0] :FSB_Sense[0]


L12
OPN[3][2][1][0]FSB 備考
AXMD1600FQQ3BC:C:100 MHzXP-M (T-bred)
AXDA1700DLT3CC:C:133 MHzXP (T-bred)
AXDC2400DKV3CXP (Thorton)
ANXS1750FXC3SC:CC133 MHzGeode NX (T-bred)
ANXL1500FGC3S
AXMH2000FLQ3CC:CC133 MHzXP-M (T-bred)
AXMH2500FQQ4CXP-M (Barton)
AXDA2500DKV4DCCC:167 MHzXP (Barton)
AXDA3200DKV4ECCCC200 MHzXP (Barton)
: = open (logic level of 1)  C = closed (logic level of 0)

FSB100と133は同じ指定になっていますのでこの判定がどうなっているかわかりません、FSB100とFSB133をジャンパやBIOSで設定できるようになっているのはこの判定ができないからなのかもしれません。 また、L12[3]及びL12[1]はすべてクローズとなっていますが、機能は未解明です。


ブリッジのIDとその番号について

ブリッジを説明するとき、ブリッジ全体を指すにはL11などと書けますが、そのブリッジの中の1つだけを指す場合にはブリッジに番号を付けないと不便です。 こちらではブリッジの金色の▲印から順に0,1,2...とID番号を割り付けることにしています。 これで、この図の一番左のブリッジを指すにはL11[4]とか、このブリッジのように機能が特定できている場合はL11-VID4とか書くことができます。


ブリッジの状態を書く場合にもL11[4] クローズとかL11[4]-Cと書けますが... ブリッジ全体の状態を書く場合に、これを何回も書くのは煩雑なので、L11[4:0]とまとめて書くことにしています。 これは、左から順にID番号が4から0まで並んでいることを示し、左の図の状態をL11[4:0]-OCCCO と表すことができます。


CPUのブリッジは、金色の点ではなく、この図でグレーになっている部分です。
また、この説明ではブリッジの状態をC(クローズ),O(オープン)で表していますが、 こちらでは表で使う場合などにCOとが判別しにくくなるため、Cのかわりにで代用しています。 ただし、表示方法を工夫しないとは読みにくくなりますから、BBSなどではより一般的な、Oを使ったほうが見やすいかもしれません。

AMDのデータシートでのID表記

AMDのデータシートでは、特定のIDとその値を表す場合 ID[2]-0と書かれていればIDの2番の値が、論理0ということを示しています。 値が複数あるIDでは、これらをまとめてID[4:0]-10001などと書かれています。 これはID[4:0]が、ID4番から0番までの値を左から順に並べることを示し、 その論理値が1,0,0,0,1ということです。 .....つまり↓

ID [一番左のID番号 : 一番右のID番号 ] - 一番左の値・・・一番右の値

通常ID番号は大きな数字を左側にすることが多いようですが、逆にIDの小さな順に左から並べる場合は、ID[0:4]のように書きます。

お気付きとは思いますが、ブリッジのIDの書き方もこれに準じた書き方にしています。


ブリッジの加工について(Geode NX, XP-M 編)

たとえブリッジを加工に成功していたとしても、その設定内容によっては動作できないこともあります。ブリッジの加工する前に各ブリッジの役目をきちんと理解してから試すことをお勧めします。実際のカットはカッターなどで浅く切るだけですが、深く切り過ぎると内部パターンに影響しないとも限りません、また再接続は難しいので慎重に作業してください。クローズには次の2つの方法があります。

絶縁+クローズ
オーガニック・パッケージのCPUで、切断されているブリッジをクローズ(接続)する場合、ブリッジを切断している溝の奥のGNDパターンとのショートを防ぐため、この溝をボンドなどで埋めて絶縁してからクローズするという考え方が基本ですが、必要な場合を除いてほとんど使わない方法です。
直接クローズ
溝を絶縁体で埋めずに、そのまま導電材料で埋める方法です。 これは、L5ブリッジなどでのクローズは結果的にブリッジをGNDに接続する作業ですから、溝をコンダクティブペンなどの導電材料で埋めることで、ブリッジの切断面を溝の奥にあるGNDパターンとショートさせてしまっても理論上問題がないからです。 この方法は、ブリッジの断面が小さいため一度では成功しないかもしれません、だめなら拭き取り2〜3回試してみてください。また、こちらではこれを単に『溝埋め』と書いている場合もあります。
クローズ方法の使い分け
Geode NX(表面に配線が透けて見えるパッケージ)
このパッケージでは『直接クローズ』で作業しますが、ブリッジによっては注意が必要です。 『絶縁+クローズ』の方法は、ブリッジがパッケージ表面に露出していないため作業自体が困難なので使いません。
ブリッジブリッジのクローズ加工
L#機能GNDとの
接続状態
絶縁
(困難)
直接クローズ方法の違いによる制限など
L1L3とBP_FID pinとの中継ナシ--クローズのまま出荷されているので、そのままでOK
L2Level2 cache設定抵抗1k--L2サイズはデフォルトで最大値、そのままでOK
L3起動倍率抵抗1k最適可(注)注:マザーボードの倍率変更機能を使わないなら問題ない、
もし使うと倍率関連回路を損傷するかもしれない
L5動作モード直接接続 - 最適製品自体の認識が変わる重要なブリッジ、変更は慎重に
L6FID -Mobile
定格倍率
直接接続 - 最適Crystal CPUIDやPowerNow!での上限倍率になる
L8SOFT VID
定格コア電圧
直接接続 - 最適 ノートPCでのみ有効だが、AMD PowerNow!は無効になる。Crystal CPUIDでは電圧上限と認識される
L9L2とL2_control pinとの中継ナシ最適(注)不可注:実験目的以外に利用価値はない
外部からL2認識を制御したとしてもL2サイズが自由に減らせるだけ
L11VID コア電圧直接接続 - 最適マザーボードの電圧変更機能と併用できる
L12FSB ディテクト抵抗1k最適可(注)注:多くのマザーボードは必要ありませんが、
FSBが変更できない一部のボードでは有効かも

GNDとの接続状態とは、デフォルトでクローズされているブリッジとGND間の抵抗値を示します。


  • 作成 2005/04/10