AMDによれば、『AMD製品のリマーク品または非正規品をそれと知らずに取得し、かつ、正当な交換品の提供または返金をベンダーが拒否している場合は、各都道府県の消費者相談センターや警察などに相談するか、AMDの調査部門およびコールセンターでもご連絡を受け付けている』とのことです。
リテールパッケージのセキュリティ対策  AMDへの連絡先


CPU本体のラベルが改変されているものを「リマーク品」、AMDから正規に出荷されていない品物が「非正規品」という解釈で良いと思います。いわゆる『バルク』のほとんどは正規に出荷された製品が、通常とは違う流通ルートを経由しているだけで、ここで書かれている非正規品とは違います。

SocketAに関しては、ブリッジが確認できる程度の写真があればリマークかどうかの推定が可能です。写真を添えて当方に御相談ください。


あやしいアスロン第9弾 [ 2006年 9月 ]

3月から4月にかけて、ヨーロッパ市場を中心にリマーク品の2800+が多数発見されましたが、日本でもほぼ同時期にそれが流通していたようです。また、その後しばらく海外からの報告はありませんでしたが、9月になってからイギリス、ポーランドと再びあやしいSempron 2800が発見されました。
日本 イギリス1 イギリス2 ポーランド

リマークSempron 2800、日本,秋葉原 [ 2006/05/02 ]

ヨーロッパ市場だけでなく、やはり秋葉原のPCパーツ専門店でも問題のセンプロンが売られていたことがわかりました。 当方のページを御覧になった方から「もしやと思い確認してみたところ、L6、L8、さらにL11に溝がありました。詳細を見ていただけないでしょうか。」というメールを受け取り、写真を確認してみるとやはり.....『リマーク品』でした。

tatatakuさんのメール(05/02)から抜粋:

2006/3/13
秋葉原でSempron2800+バルクを11,518円で購入、MSI製K7N2GM-ILに載せ100MHz*12(ジャンパにて設定、電圧は1.65Vと認識)で動作させたところ、Windowsの起動終了までできました。しかし、その後定格の166MHz*12で起動させようとしたところBIOS画面が表示されません。さらにFSB100MHzに戻しても起動しなくなってしまいました。

2006/3/25
そこで、販売店に初期不良として交換してもらいました。交換後の石は店頭では『Sempron2800+』とBIOS表示されていました。(M/Bの型番はわかりません)交換後、同じ板で100MHz*12動作を確認しました。(166MHzは怖くてやっていません)  交換後のCPUが手元にあるので、その写真を3枚添付いたします。写真ではかすかに「Geode」の文字が消された跡があります。購入から一ヶ月以上たってしまったので返品は絶望的でしょうかね…

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[つぶやき] 2度もあやしいSempron 2800を渡されたわけですから、ほんとうにお気の毒です。そういえば3年前にもこの販売店ではリマーク品が売られていたという実績があります。「返品が増えてる、以前もこんなことがあったな〜何かおかしい?」とか販売店側でも気付くチャンスはあったと思うんですけどね.... tatatakuさんこれに懲りずに次にチャレンジしてください、え、今度はCore2 Duoで作るって...?▽♂×☆!。

私の返信内容から抜粋:

「Geode」の文字が消された痕が少し見えますね、またブリッジも改変されていますから、まちがいなくリマーク品でしょう。
>とりあえず一ヶ月以上たってしまったので返品は絶望的でしょうかね…
あなたはSempron2800を買ったはずなのに、渡された製品はSempron2800ではなかったわけですから、返品は十分に可能だと思います。 レシートなど購入の証拠を必ず残しておいてください。

ただその前に、このような品を他の方が手にすることのないように、その流通を防ぎたいと考えています。お手数ですが協力をお願いできませんか。


AMDに情報を提供

再度返品することはできる、とは思いましたが、その前にAMDに情報を提供をすることを勧めました。

リマーク品は、AMDやAMDの正規販売代理店から直接出荷された品ではないことは確かのため、AMDの保証を受けることはできません。 ポイントはAMDにクレームをつけるのではなく、『AMDに対してリマーク品の具体的な情報を提供し、なんらかの対策を引き出すこと』です。 実際に私から連絡してみました。

  • 1. AMDの正規販売代理店に、CPUのリマーク品についての写真と購入した販売店の情報を提供したいと連絡
  • 2. 念のためAMDのコールセンターにも、この件で連絡を入れた正規販売代理店名とその経過を説明。
  • 3. すると最終的に正規販売代理店から以下のような回答をいただきました。
    頂いた写真により、Fake(リマーク)品であると判定され、AMDのUS本社より、現品を回収するよう指示がありました。
    この件について、AMD社内で徹底的に調査を行い、しかるべき処置を取るとのことです。誠にお手数ではございますが、ご協力をお願い申し上げます。
    

見事成功です。幸いにも正規販売代理店、AMDのコールセンターともに、きちんとした対応をしてくれました。 今回はすでにそのFake(リマーク)品が販売されていない可能性もあることから、情報だけでなく現品も提供することになり、 代理店にレシートと現品を発送しました。あとはAMDの流通調査に期待するだけです。

...その後のことはわかりません。なぜなら、AMDが流通を調査し流通に対してしかるべき処置をした場合でも、ほとんどそれは公表されないからです。.... おそらく流通を調査し販売店への警告など、なんらかの対策がなされたはずです。 尚、現物を提供していただいたtatatakuさんには『ありがとうの言葉だけ』....ではなく、AMDの正規販売代理店から代替品を送っていただけたとのことです。


- 次のネタはThe United Kingdomから -

リマークSempron 2800、イギリス #1 [ 2006/09/04 ]

イギリスから動作に問題があるSempron2800+を買った、というメールを2通受け取りました。

Mr.Damianのメール(09/04)から抜粋:

ハーイ、私は、約3週間前にイギリスの非常に大きいオンラインストアからSDA2800DUT3D sempronを買いました。しかしオーバーヒートやクラッシュの問題を抱えています。 そのCPUは、特にL6、L8、L11があなたのサイトにある写真にたいへん似ています。 温度の上昇を抑えられなかったため、この写真はからわかるように多量のヒートシンク・ペーストを加えてみました。

私は1週間前に、AMDに写真を添付したメールを送りましたが何も返信がありません。 そこで私はさらに別のメールを送って、また彼らがそれを無視するかどうかを待ってま〜す。

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[つぶやき]昔、中学校で英語のメールを習ったとき、書き出しは Dear Mr.〜 と教えられたような気がする。でも、そんな書き出しの方はめったにいません。みなさん「Hello,」とか「Hi,」....って感じで軽いんです。なかには「Hey,」って<長嶋か!。外人からくるメールのスペルミスも結構多く、そのままじゃ自動翻訳が通りませんって、スペルチェッカー通せよな!と言いたい。んん...ダミアンのことじゃないですよ、ダミアンはとても好感が持てました。スペルだって1つしかミスないしね。


私の返信内容:

私はそのSempronはフェイクだと思います。しかし、フェイクか本物かの違いを明確にするのは難しいのです。 直接AMDにコンタクトした場合、AMDはfake Sempronのことに対して消極的なようですから、 AMDの販売代理店にコンタクトしたほうが、より効果的なようです。 そのときは『私はFake Sempronについての重要な情報をAMDに提供したいと考えている』と話すことをお勧めします。

別の方法として...私は写真から、あなたのセンプロンのコア電圧は1.65Vになると予想できます。 あなたのセンプロンの電圧を検知してしていただけますか? もし1.65Vと認識されるなら、あなたのセンプロンは異常であると判定できます。 不良CPUであれば、それを販売店に対して返品をすることが可能でしょう。

1.650Vと認識

日本で見つかったSempronと同様に『へこみ』によってクローズ、ブリッジカットによって、オープンさせているようですから、比較的簡単に認識電圧の予想ができました。赤い文字が改変された部分です。このCPUでも『へこみ』によりブリッジをクローズしたのと同じ効果を得ています。

Mr.Damianのメール(09/05)から抜粋:

Everest Home Editionで測るとコア電圧は1.65Vです。 ここ10日間で二度AMDに連絡しましたが、まだ回答を得ていません。 彼らが興味を持っていないように思えます。

[つぶやき] イギリスのインチキSempron退治は「ダミアン、あなたの行動にかかっています」、へこたれずがんばってね。 イギリス支社は動きが悪いんだよ、きっと。だめならイギリス支社なんかあてにせず、さっさとドイツに連絡しちゃえばいいのに...って書いてません。


Sempronの正規品には赤の文字で示した溝や「へこみ」は例外なく存在しません。もちろんL8には溝は1つもありません。



リマークSempron 2800、イギリス#2 [ 2006/09/05 ]

もう1通のイギリスからのメールも、写真からこのSempron2800+がFakeであると確認しました。 Mr. Banerjeeのメール(09/05)から抜粋:

私は評判のよいサプライヤーからSocket Aの「Sempron2800」と「デュロン1800」を買いました。 Sempron2800のコア電圧は1.79Vとマザーボードに認識され、私はあやしいと思いました。 検索して、あなたのサイトに来ました。情報を利用可能にしていただきありがとうございます。 私にとってSempronが『にせ』であることが明確ですが、デュロンも同様に見えるので疑がっています。あなたはデュロンが偽物であるかどうか私に言うことができますか?

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本物のDuronの画像

[つぶやき]日本だったら、ツクモとかT-ZONEあたりの大型店で買えば、ほぼ安心なんだけど、イギリスにはないよね。 逆に価格競争力のあるPCパーツ専門店なんかだと平行輸入品なんかも混じるので、リスクが高いかもしれない。 で、デュロンも疑っているようだけど、デュロンが偽物であるかどうか言えるよ!「デュロンは本物」 「安いCPUのリマークを作ってもメリットない」って2度も書いたでしょ、どうしてわかんないかな〜。 んん、私の語学力の問題だと....ちょっとこっち来てくれる〜直に話そうじゃないの。


私の返信内容から抜粋:

私は、Sempron2800+が偽物であると思います。 そしてコア電圧があなたの写真から1.775Vになると確認できます。 正しいSempron SDA2800DUT3Dのコア電圧は1.60Vでから、そうでないなら店に返すことができるかもしれません。
>デュロンは偽物ですか?
デュロンは本物です、問題ありません。偽のデュロンは現在までに発見されていません。
なぜなら、通常リマーク品は安価なCPUを、より高価なCPUに見せかけるために作られます。安価なCPUがターゲットとなる可能性は低いのです。

1.775Vと認識されるように改造されたL11

このCPUも、赤い文字で表示した箇所が改変されています。 『へこみ』と新たに作られた溝でブリッジを変更したのと同じ効果を得ています、こちらはこの組み合わせで1.775Vと認識されるはずです。

Sempronの正規品には赤の文字で示した溝や「へこみ」は存在しません、L8にも溝は1つもありません。


L3,L5,L12

これらのブリッジも赤い文字で示した箇所が改変されています。正規品の写真と比較すると、見た目が全く違うので判別できます。 このような改変をされてしまったCPUはまったく信頼できません。このような品はAMDやその代理店とは全く関係のない組織によって作られています、もしこのような物を買ってしまったとしても、当然ながらAMDは保証してくれません。 オークションや市場で見かけたとしても決して購入しないでください。

L3,L5,L12でもSempronの正規品には赤の文字で示した溝や「へこみ」は存在しません



リマークSempron 2800、ポーランド [Septembar 18, 2006]

ポーランドから情報が届きました、多くの店ではリマーク品しか売られておらず、本物を探すのが困難という非常に困った状況になっているようです。

Mr. Leszekのメール(09/18)から抜粋:

Hello, 昨日Sempron2800を買いに行きました。 最初の店にあったCPUはすべてリマーク品だったので、別の店で本物を探すことにしました。しかし、そこにも本物はなくリマーク版だけでした。 そこで店員にリマークの件について話すと、もし1.7vとかの電圧なら返金するとの返事なので購入しました。

家に戻って動かしましたが、何も問題は起きません。コア電圧は1.725Vですが、温度は40度と良好で、高い負荷を与えた場合でも約51度でした。次にsisoft Sandraで他の同じようなSocketA CPUと性能を比較しましたが、差はありませんでした。

というわけで、L8のカットやそれ以外が少し違うプロセッサは、ほんとうにリマークなのでしょうか?。

Enlarge of image

[つぶやき]はい,見事にリマーク品そのものでございます。比較するための本物が売って いないという信じられない事態ですね、なんとか本物を探してください。


私の返信内容から抜粋:

今迄に数多くのSocketAを見てきましたが、不規則なブリッジを持つSempronはありませんでした。したがってリマークに間違いないと思います。不法に改変されたCPUであっても、多くの場合は普通に動きます。 しかしそれは別の製品をオーバークロックしたCPUのなのです。 あなたはそのSempronが、GeodeNX1750にそっくりであることに気付くでしょう。

最後に

現在SocketA CPUはほとんど売られていません。この問題を必要以上に騒ぎ立てると、市場にあるSocketA CPUがさらに減少するかもしれない、という心配がなくもないのです。私たちユーザは、どんな方法でこれを解決すれば良いのでしょう。 ただ、特に日本では多くの方はAthlon64などのより新しいCPUに移っていて、SocketAの需要自体がすでにあまりないため、それほどこの問題が表面化することはなさそうです。

御協力に感謝致します

リマークの判定 : AMDコールセンター、AMD正規販売代理店xxxxx
秋葉原の情報と写真の提供 : tatatakuさん 日本
イギリス1の情報と写真 : Mr. Damian from the United Kingdom.
イギリス2の情報と写真 : Mr. Banerjee from the United Kingdom.
ポーランドの情報と写真 : Mr. Leszek from Republic of Poland.


写真の転載について

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