VAIO徹底改造 CPUのクーリング

VAIO-K7 徹底改造でのポイントはCPUの冷却方法、これさえしっかり作れば安定したシステムへの第一歩なのだが、なかなかこれが難しい。

VAIO-K7 CPUのクーリングを考える

PCの信頼性

PCの最大の発熱源であるCPUの熱をどうするか... いつもこれに悩まされます。ケース内に熱がこもればPCパーツの寿命を縮めることになるので、CPUの熱をできるだけ効率良く外に排出するしくみを考えなくてはいけないからです。 通常のATXケースでは簡単な仕切りでも作って、CPUファンが吸い出した空気がケースファンに吸い込まれるようにすれば良いのですが、マイクロATXだとそうもいかない、さてどうするか...。

CPUの冷却方法の検討

SONY VAIO PCV-S520でのCPUと電源の位置関係はこのようになっていました。ヒートシンクから放出される熱は、電源ファンに吸い込まれ匡体の外に排出されるという合理的な設計です。ヒートシンクを被い冷却の効率を上げためのフードは装着されていないため、発熱の非常に少ないCPUを前提とした構造のようです。
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今回の改造でも大型のヒートシンクを使い、真上に電源の吸気ファンがくるような配置になるATX電源を使うことで、CPUの排気を兼用させることもできそうです。しかし、この場合は電源の可変速ファンが高回転になり騒音源になってしまう可能性があります。このため、できるだけCPUの消費電力を抑えることと、ヒートシンクからの熱を効率良く吸い上げるための工夫が必要でしょう。


ケース内の温度上昇を防ぐ

自作PCではCPUの温度ばかりに注意を払いがちですが、CPU自体は比較的熱に強いので高めの温度でも問題ありません。それよりケース内の温度上昇を防ぐことにこそ注意を払ったほうが良いと思います。このSONY VAIOのようなコンパクトな匡体では十分な換気が難しいので、消費電力の少ないCPUを使い発熱量を減らすか、換気を強化するための工夫をしないと、静音化しても信頼性の低いシステムになってしまうはずです。


ダクトを使ってCPUを冷やす

この匡体では、CPUの真上に電源あるため、通常の高さのCPUクーラーでは入らないか、または入ったとしてもファンと電源との隙間がわずかです。 今回の改造では手持ちのどの電源でも使えるようにしたいということもあり、CPUの排気を電源に吸い込ませず、シロッコファンとダクトを使って直接匡体の外に熱を出す構造を考えました。

シロッコファンはケースの天板にネジ留めし、紙を使って現物合わせでダクトの形状を決めました。

ダクトの素材はアルミを使うことも考えましたが、マザーボードと接する面の絶縁対策が必要なため、カットや曲げ、接着ともに比較的簡単に行える発泡塩ビ材料のFOREX(フォーレックス)、3mmと2mmを使うことにしました。


この写真は製作途中のダクトで、FOREXをカットして曲げた状態です。ダクトはFETとコンデンサを避けるような形で作りました。ダクト内にコンデンサが含まれていますが、これは少々問題かもしれません。シロッコファンにはスチールのブラケットが付いていますが、これはサーバー用電源のジャンクからはずした物をそのまま使っています。

完成したクーリング用ダクト

ヒートシンクは、なつかしのKANIEです、PAL8045のほうが良さそうですが予備を持っていませんでした。ダクトの開いていた部分に蓋をして接着。次に吸気をヒートシンク内だけに集中させるため、隙間はメラミンフォーム(白の部分)を使って埋めました。さらにダクトとマザーボードなどの隙間はEPDM(アトムズ 防水ソフトテープ5mmを使用)で埋めています。

ダクトの外にコンデンサ

ダクト内の温度はCPUの発熱量とダクトファンの回転数で決まります、高めの温度になりやすい部分なので。ダクト内にコンデンサが含まれていると、コンデンサの寿命が温度の上昇に伴い短くなるという不安があります。念のためさらにダクトを加工してコンデンサがダクトの外になるようにしました。


実使用時には、左に写っているシロッコファンの外に純正のプラスチックのカバーが被るので、ファンには外圧の影響が出るはずです、その緩和のため 匡体の開口面積はシロッコファンの排気口の面積より2倍近く大きくしました。

下から見たところです、ぎっしりというほどではありませんがマイクロATXだけに、配置のゆとりはありません。

ハードウエアモニタ

静音化を前提に組んでいますが完成したわけではなく、ほとんどはこれからの調整で決まります。 シロッコファンも高速回転になると大きな音を出すので、比較的低めの回転数で使う必要があり、その状態でCPUの発熱をどこまで許容するか、CPUを何にするか(改造も含めてですが...)これから、いろいろ試します。
現状で、スタート直後のCPU、M/Bの温度はともに31度程度でした、写真は約1時間後の状態でCPU=45度、M/B=35度となっています。側面の蓋をあけて手をいれてみても暖かさは感じられませんでしたから、とりあえず換気はうまくいっているようです。
ハードウエアモニタの温度表示は、実際の温度とのずれもあり、正しい温度が表示されているわけではありませんが、温度の変化はおおむね捕らえてくれると思います。CPU Fan speedの値は電源ファンの回転数を示しており、正しくありません。

  • CPU : Athlon XP 1800+ 51W(max)
  • 電圧 : 1.5V(定格)
  • クロック : 1533MHz(定格)
  • TDP : 51W(max)
  • M/B : ASRock K7S41

静音化

本来『低騒音化』とか、『静粛性の向上』と書くべきところを『静音化』と書いていますが、そんな言葉はなく、たぶんこれは自作PC関連の造語でしょう。直感的にはわかりやすいような気がするものの、この言葉を使って良いものかどうか正直迷っています。....とはいえ静穏化では何かピンときません。もしかしたらそのうち『低騒音化』にマルチファイル一括置換をするかもしれません。そういえば以前『モバイル化』ってのもありましたが、あれは専門用語ですから良しとしましょう。記事中で不自然に感じる単語を見つけたら連絡してください、再考させていただきます。

  • 更新履歴
  • 作成:2005/06/20