素材と加工方法
VAIO-S520の徹底改造で使用した素材について。
FOREX(フォーレックス)
VAIO徹底改造に使用した素材と加工方法
ダクトの製作には次の材料を使いました。この中でフォーレックスは、あまりなじみのない素材だと思いますので詳しく紹介します。
- フォーレックス
- 防水ソフトテープ
- メラミンフォーム
加工が楽なプラスチック素材、フォーレックスの特徴
Forexは独立気泡構造の硬質塩化ビニール低発泡板で、光沢を抑えた表面処理がされています。発泡材料のため通常の塩ビに比べ柔らかく、カッターで簡単に切ることが出来るのが特徴です。自作PCではなにかと便利に使える材料ですから、一度使ってみると良いかもしれません。
曲げ、接着、成形加工にも対応
写真はグレー2mm厚のForexを加熱し試験的に曲げてみたところです。
通常、塩ビやアクリルを曲げるには、丸棒状の専用ヒーターを曲げたい箇所に線状に接触させ、曲げる部分が柔らかくなってから、加熱部分を外側にして折り曲げます。
参照アクリサンデー:加工方法/曲げ
アクリサンデーにはアクリルの曲げについての説明があります、今回使用した塩ビでも基本は同じですが、より低温で、加熱時間も短くして加工します。
しかし、私は専用ヒーターを持っていないので、ドライバーの軸をガスコンロで5〜10秒程度あぶって加熱し、曲げたい箇所に10秒ほどあてて、材料が柔らかくなったところで直角の物に押し当てて曲げました。塩ビは120度程度以上で軟化するはずですが、表面が溶けるようなら温度が高すぎます。少々アバウトな方法ながら慣れればそう難しくはありません。
FOREXの加工方法
カットは簡単
写真はこの素材をカッターで切り抜いたところです、このカットには1分もかかっていません。 ちょうど薄い木材を扱っているような感覚で加工ができ、下穴なしでクギを打ったとしても、よほど端でもないかぎりひび割れを起こしたりもしません。
接着
塩ビ用接着材を使います。材料をつき合わせておき溶剤を注射器で少量流し、しばらく固定します(途中で材料が動くと接着に失敗します)、このとき3mm厚の材料なら直角に接着しても、それなりに強度は得られるようですが、2mm厚の材料だと接着より曲げを中心にしたほうがしっかりと作れるようです。
また塩ビパイプ用接着材でも接着できますが、粘度が高いため接着しようとする面に接着材を塗り、すばやく材料をつき合わせて固定します。
でかカッター
カッターは普通のではなく、大きな刃のついたカッターをお勧めします。また定規はステンレスのしっかりした物を使うと安全です。
曲げに使ったドライバは写真のように軸の長い物をいました。むやみに軸が長いとお思いでしょうが、PC組み立て時にも軸を持って素早く回せますから使い易いのです。ただし、加熱などどいう工具を傷めるかもしれないこともやりますので、このドライバーは消耗品扱いです。
複雑な形も作れるが耐熱温度が低い
FOREXの欠点
加工し易い反面、硬い物で表面をつつくとキズがつきます、それと塩ビ板と同様に耐熱温度が低く50度まで、となっていることです。 50度で溶けたりはしませんが、耐熱温度を超えると徐々に軟化し変形する可能性があります。たとえば通常の室内では問題にならなくても、日のあたる車の中などに置いておくと、おそらく変形します。
ここで、うっかりしていたことに気付きました、ダクト内は50度近くになるかもしれないということです。このためある程度軟化しても変形しないように内側にアルミをコの字に曲げた物で補強をしました。
FOREX(フォーレックス)
FOREXはスイスのAIREX社の商標のようですが、このFOREXという呼び方が一般的で、低発泡塩ビ板とはあまり呼ばれないようです。 色は赤、黄、青、緑程度しかないので、白かグレーまたは黒の製品が使いやすいと思います。最初は厚み2mmか3mmの小さなサイズの物を買って試してみると良いでしょう。
- シーアイ化成
- AIREX社との技術提携でFOREXを生産。
- アクリルサンデー : フォーレックス
- アクリルサンデーから小さいサイズの物が小売用パッケージとして出ていますので、ホームセンターで入手可能です。
その他の素材
VAIO徹底改造に使用したその他の材料
ニトムズ 防水ソフトテープ5mm
ダクトとマザーボードとの隙間を埋めるためにスポンジ状の物が必要でした、簡単に入手でき長もちしそうな製品として選んだのが、 ニトムズ防水ソフトテープです。製品にはEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)と書かれていましたので、たぶん日東電工のエプトシーラーが使われているのではないでしょうか。
- refs
- EPDM日東電工/エプトシーラー
- メラミンフォームStrider Topus Office (販売)
- こするだけで汚れが落ちるので洗剤がいらない『たわし』として、スーパーや100円ショップなどで売られています。今回は『たわし』としてではなく、隙間をふさぐための詰め物として使いました。
- 更新履歴
- 作成:2005/07/29